オルガン・ジョイント・コンサート

8月18日(土)
武蔵野市民文化会館小ホール
14:00 --15:36
主催: 国際芸術連盟

演奏曲目

演奏者: 秋田郁 (あきた ふみ)
曲目: J. P. Sweelinck (スウェーリンク) Fantasia (Ionia) (「幻想曲 イオニア」)
J. S. Bach (バッハ) Praeludium et Fuga a-moll 「プレリュードとフーガ イ短調」 BWV. 543.
R. Schumann (シューマン) Skizzen für den Pedal-Flügel op. 58. 「ペダルピアノのためのスケッチ」 より
II Mit innigem Ausdruck,
III Andantino

演奏者: 黒瀬恵 (くろせ めぐみ)
曲目: N. de Grigny (グリニー) Les Hymnes: Veni Creator (賛歌: 来れ精霊よ)
M. Durufle (デュルフレ) Prelude, adagio et choral varie sur le "Veni Creator" op. 4  Choral varie (「前奏曲アダージョ」 と 「Veni Creator によるコラール変奏曲」より, コラール変奏曲)
Anadante religioso
Poco meno lento
Allegretto Andante espressivo
Allegro

演奏者: 小松真由美 (こまつ まゆみ)
曲目: M. Dupré (デュプレ) Cortège et Litanie op. 19-2. 「行列と連祷」
M. Reger (レーガー) Fantasie und Fuge d-moll op. 135b. 「ファンタジーとフーガ ニ短調」


曲目解説

今回は 16 世紀末ネーデルランド楽派の J. P. スェーリンク, 17 世紀北ドイツ・オルガン楽派の作曲家 J. S. バッハ, 19 世紀ロマン派の作曲家シューマンと, 異なった時代の 3 つの作品をとりあげてみました。 スェーリンクは教育者として北ヨーロッパ一円でよく知られており, 彼のもとで学んだ弟子達が 17 世紀北ドイツ・オルガン楽派の基礎を築いた。 1 曲目はそのスェーリンクの曲で教会旋法イオニアを用いてポリフォニックな曲である。 続くバッハはクラヴィーア的な要素が強く感じられる。 「プレリュードとフーガ」 という完成された形式によってまとめられている。 最後のシューマンの曲は, オルガンの為ではなく, ペダル (足鍵盤) のついたピアノの為に 作曲された。 ピアニスティックな技法も所々に見受けられる。 [秋田郁]

グリニー (1672 -- 1703) は, 17 世紀フランス, ランス大聖堂のオルガニストを, 20 世紀作曲家デュルフレ (1902 -- 1986) は, パリ, サン・テティエンヌ・デュ・モン教会のオルガニストを務めました。 聖歌 「Veni Creator」 は, キリスト教でペンテコステ (キリストが復活し昇天された後, エルサレムで弟子達が集まっている時に聖霊が降り, 新しい生命と力と恵みがもたらされたことを記念する日) に歌われます。 グリニー は, フランス古典の特色である装飾法, 音色法, 不均等奏法を駆使して演奏します。デュルフレは, ロマン派的な和声を受け継いだシンフォニックな作品です。 二人の年代を超えた 「Veni Creator」 をお楽しみください。 [黒瀬恵]

M. Dupré (1886 -- 1971) Cortège et Litanie, Op. 19, No. 2. 
M. デュプレ 行列と連祷 作品 19-2
パリのサンシュルピス教会のオルガニストであったデュプレは, 1921 年にこの作品をオルガン独奏曲として書いている。 曲は, 巡礼者が教会に向かう様子に始まり, 続いて連祷 (繰り返し祈ること) をする様子が描写されている。 最後にその2つ の様子が見事に重ねられ, 華やかに終わる。

M. Reger (1873 -- 1916) Fantasie und Fuge Op. 135b.
M. レーガー ファンタジーとフーガ 作品 135b
レーガーは様々な楽曲を書いているが, オルガン作品が良く知られた作曲家である。 [小松真由美]


5 年以上前に, 私の出身大学の学オケのコンサートでやってきた三鷹に, 今日も又降り立った。 さすがに大分時が経っているだけあって, 大分変わっていた。 尤も相変わらず横河の敷地が大半を占めているのであったが。

この日は天気は非常に不安定で, 電車の中にいる最中でも, 晴れたり曇ったり雨が降っていたりして, 一寸不安であった。 しかし運良く私は, 雨に降られることなく武蔵野市民文化会館に着くことが出来た。 尤も小 hall に入ったのは今回が初めてである。 入ってみると pipe organ がどでかく中央に据えてある。 この organ は神奈川県民 hall のものより大きくて, 数段格が上であると思う。

一寸戻って, この hall に入って初めて, この concert のチラシが貼ってあるのが目に止まる。 めーだけ化粧が濃いな〜 (笑) --- どうやらこう思っていたのは私だけではなかったらしい (笑)。 めーさんに頼んで ticket をとっておいてもらったので, それを受け取って料金を払うと, 手紙が付いていた。 字がきれいだ。

席は 15-18 (最後尾の中央) をとった。 そしたらその二つ前にめーの母親を発見 ! どうして分かったかというと, 本人 (その母親) が自分でそう言っていた。 この人は, 娘の演奏が終わったあと, 「もっと私にも分かる曲をやってくれればいいのに」 と言っていた。 確かに, あんまり一般に知られている曲ではないね。

下記に見られるように, 最初 5 曲が連続してほぼ一時間演奏された後, 15 分休憩して, 30 分ほど 2 曲が演奏されたのだが, 集中力が続かないので, やはり, 5 分でも良いから, 演奏者が替わる毎に休憩を入れた方が良かったかと思う。 只 hall を借りている時間の関係もあるので, それが難しいのかもしれない。


秋田郁 (14:05 -- 14:32)

Sweelinck の Ionia は, もう一つ盛り上がりに欠ける感じがした。 二曲目の J. S. Bach の Praeludium et Fuga a-moll は良く知られた曲でもあり, このコンサート中最も聞き慣れた曲であったので, 安心して聞けた。 残念ながら Praeludium の迫力が少し足りなかった。 三曲目の Schumann の曲は, もともと piano の曲だった所為か, 一寸退屈。 これは piano のように一音一音に強弱が付けられないためかもしれない。 略歴をみると, この人は piano 科, 音楽教育専攻ということで org. が専門でない所為か, 残念なことにミスタッチが目立った。

黒瀬恵 (14:33 -- 14:54)

当然だろうが, 先の秋田さんより遙かに安定した演奏である。 登場と退場のときに, もう少しにこやかにしていればいいのに。 Grigny の方は, organ の性能を生かしきっているという感じ。 Durufle の方は, 構成が良く考えられている曲で, 曲毎の対比が大きく付けられている。

[15 分休憩]

小松真由美 (15:09 -- 15:36)

Dupré は単純な曲で, 時間も 5 分程度と短いのであるが, theme がはっきりしており, 割に楽しめた。 面白い曲である。 Reger の Fugue が壮麗で美しい。 大胆で確実, ニュアンスのはっきりした演奏であった。


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