NEC コミュニティコンサート 〜展覧会の絵〜

Monday, 10th November, 2003.
横浜みなとみらいホール
18:00 -- 21:00


Antonín Dvořák (ドヴォルジャーク): Slavonic Dance No. 1 in C-dur (スラヴ舞曲第一番)

Fryderyk Chopin (ショパン): Piano Concerto No. 1 in E-dur (ピアノ協奏曲第一番)

Modest Musorgsky (ムソルグスキー ) orchestrated by Maurice Ravel (ラヴェル編曲):
Tableaux d’une exposition (組曲 『展覧会の絵』 )

日本フィルハーモニー交響楽団
小林研一郎
小菅 優, pfte.


朝日新聞で無料招待という広告が出ていたので NEC 121 ware という site から申し込んでみた。 現在の PC の前のものは NEC の LaVie というものだったので, その site は良く知っていた。 だから尚更簡単に応募出来たのである。

10:55 Thursday, 23rd October, 2003 発の mail には 「多くの御応募を頂いた中で抽選の結果, お客様に 『コンサートの招待状』 を送付させて頂きます 」 なんて書いてあった割りには, 当日の朝日新聞の夕刊の MULLION (マリオン) の音楽のコーナーで, 同一のものを往復葉書で募集していた。 きっと抽籤なんかしてないと思う (笑)。

当日は朝からずっと雨である。 師走並の気温とかで寒い。

Queens square に着いたら singing tree が又演奏をしていた。 あとで調べたら, 音楽は organist の田代ユリだそうだ。 分かった曲を順に上げると
ホルスト: 惑星, 賛美歌(?), J. S. Bach: G 線上のアリア, キラキラ星, チャイコフスキー: くるみ割り人形から金平糖の踊り, Erik Satie: あなたが欲しい, ジングルベル, I wish you a merry Christmas, Take the A Train, サンタが町にやって来た。 昨年のものとは大分違うようだ。

チケットとの交換が始まっている 17:05 ホールの方に行ってみるともう既に長蛇の列である。 最後尾を示している係の人に聞いてみると何ともう早い人は 15:30 位から並んでいるのだそうだ。 一階席などはこういう人々に占拠されているのであろう。 約 20 分程並んで引換。 2C-4-17 という, 二階だが中央席であった。

開場は 18:00. 皆が入ってくると, わずかだが三階席も人が入っている。 P 席には人はいない。 RF 席が何故か丸々空いている (あとから大分ふさがってきたが)。

Slavonic Dance 19:03 -- 19:07

オケが非常に遠く感じる。 ホールトーンの影響が大きい。 曲調が目まぐるしく変わる感じ。

1st vn  だけ退場して stage 下手に置いてあった pfte を中央に。 Pfteに合わせて再 tuning.

Piano concerto 19:11 -- 19:52

1st Mvt 19:11 -- 19:32 ゆっくり目のテンポ。 弦もレガート。Trump が強い (座席の位置の所為か)。 Pfte柔らかい。 技巧よりも曲想重視という感じ。
2nd Mvt -- 19:42 優美さが引き立つ感じ。 Bassoon の旋律を重視。
3rd Mvt (attaca) オケがもう少しきびきびと演奏した方がいいか? Solo を引き立たせる好演。

アンコール 19:55 -- 20:00 Chopin 遺作のノクターン

小菅さんの演奏は技巧的というよりも叙情的, 華麗というよりも優美, ダイナミックというよりも繊細という感じで, 好感の持てる演奏だった。 Sentimental な独奏曲などが向いているかもしれない。
因みに音楽評論家の奥田佳道の伝えるところによると, ドイツの批評では 「劇的な音楽表現」 から 「天使の翼の先端が頬に触れた瞬間を感じさせる pianissimo」 と言われている。 今回の演奏では 「劇的」 な方はあまり感じられなかった。

《15分休憩》
休憩終了後, 右隣の couple いなくなる。小菅さんの関係者だったのか?

Tableaux d’une exposition 20:16 -- 20:50
解説を読んで初めて知ったが, 作曲者 1881 年の前にはこの曲は何と演奏も出版もされなかったそうだ。 Piano 譜が Rimsky-Korsakovによって出版されたのが 1886, 1920 にボストン交響楽団の Koussevitzky が Ravel に編曲を頼んで October 1922 に初演して脚光を浴びたそうだ。
1. Promenade 最初の印象は何故かべったりしている感じ。
2. The Gnome チェレスタが綺麗。
3. Promenade
4. The Old Castle sax の甘い音が良い。
5. Promenade 金管中心に移って大分歯切れがよくなったか?
6. Tuilleries 中間部の弦が優美。
7. Bydlo Tuba が今一つ。
8. Promenade
9. Ballet of Chicks in Their Shells この辺から Ravel の色彩豊かな編曲の真骨頂。
10. Samuel Goldenberg and Schmuyle
11. Promenade
12. The Market Place at Limoges
13. Catacombs (Sepulcrum Romanum)
14. Con Mortuis in Lungua Mortua
15. The Hut on Fowl's Legs (Baba-Yaga)
16. The Great Gate of Kiev GP がやや長くとられ, 間延びした感じがする。

アンコール
8:54 P. Mascagni (1863 -- 1945) Intermezzo of CAVALLERIA RUSTICANA
とてもいい。
8:58 The Great Gate of Kiev (の終わり一分強)。

今回の演奏は独自性を打ち出そうとしているようなのではあるが, それがどうも成功していないように思った。 それとも, 素直に心の赴くままに演奏するとああなるのであろうか。 だとしたら唯単に感性が合わないだけかもしれない。

ところで, アンコールの遺作のノクターンが曲名を思い出すことが出来なかった。 一寸ショック。 以前なら生徒の名前を忘れても曲名は忘れなかったのに (笑)。

しかし, 無料のコンサートの所為か, 観客の manner は一寸悪い。 演奏中の咳や, 物を落とす音が何度も聞かれた。


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