昼どきクラシック 新春特別プログラム

Saturday, 24th January, 2003.
横浜みなとみらいホール
12:10 -- 15:30


第一部 (12:10 -- 13:08)

Edvard Grieg (1843 -- 1907, グリーグ): Two Elegiac Melodies (二つの悲しい旋律), op. 34.
Allegretto espressivo "The Wounded Heart" (傷付いた心)
Andante "Last Spring" (最後の春)

Wolfgang Amadeus Mozart (1756 -- 1791): Divertimento (ディベルティメント) in F-dur K. 138.
Allegro -- Andante -- Rondo

Peter Ilyich Tchaikovsky (1840 -- 1893, チャイコフスキー): Andante Cantabile (アンダンテ・カンタービレ, 弦楽四重奏曲第一番 op. 11, 1871, 2nd Mvt)

Edvard Grieg: From Holberg’s Time (「ホルベアの時代より」) op. 40.

第二部 (14:30 -- 15:30)

アスラマジャン (1897 -- 1978): ヘンデルのパッサカリア変奏曲

Felix Mendelssohn (1809 -- 1847): vn concerto in d-moll.

Johann Sebastian Bach (1685 -- 1750) (ヴィルヘルミ (1845 -- 1908) 編曲): G 線上のアリア (Air in Ouvertüre (Suite) Nr. 3 D-dur, BWV 1068)

Pablo de. Sarasate (1844 -- 1908, サラサーテ): Zigeunerweisen (ツィゴイネルワイゼン)


リトアニア室内管弦楽団
サウリュス・ソンデツキス, 指揮
Zakhar Bron (ザハール・ブロン), vn.


非常に寒い。 体調やや不良。 なんだか眠くてしょうがない。 ややだるい。 風邪? 帰ったら薬を飲んだ方がいいだろうか。

ホール前には大体 11:29 に到着。 丁度ホールの入り口を開いたところであった。 ホワイエでは CD を販売していた。 Stage 上の椅子は 25 脚 (うち一つは物が置いてあった)。

今日も昨年十二月と同様 P 席にも客が入っていた (が P, 2RA, 2LA は空席多し)。 車椅子の客を二名発見。

もっと早く来て昼を食べておくべきだったと思うが後の祭り。 第二部の ticket で入って来てしまった人あり。 遅刻者多数。

vn (7 + 7), va 4, vc 4, CB 2.

[第一部] (12:10--)

Grieg の 二つの悲しい旋律 (1880) は Aasmund Olvson Vinje (オムスン・オラヴソン・ヴィニエ) の詩に 1880 年のもっと早くに書かれた 12 の曲からの二つの歌曲の編曲。 最初の歌では, 詩人は現世の悩みから退き, 彼の平穏は今新しい春の巡り来る度毎の花咲くことによってのみかき立てられると歌っている。 第二曲の 「春」 (Våren) では北国の春の美しさを描き, 彼の死の前に最後にそれを眺める感情を描いている。
 「春」 の方で vn の微妙な和音がとても良い。

客のマナーが非常に悪い。 GP の時に大きな音で咳をするのは困る。

Divertimento K 138 は Mozart 16 歳の時の作品。 「溜め」 が一寸気になった (溜め過ぎであるような気がする)。 Program を演奏中に音読するのは止めて欲しい。

Andante Cantabile はウクライナ地方で耳にした民謡が素材になっていると言われているそうである。 この演奏中, 嘔吐し始めたのかと思うような激しい咳を何度もしている人がいて集中できず。 やや遅めで良い演奏であったのに。

12:41 最後の曲のために tuning.

「ホルベアの時代より」 は普通 「ホルベルク組曲」 として知られている。 1884 年 12 月の Ludvig Hoberg (ルードヴィグ・ホルベルグ, ホルベアはデンマーク語読み) の生誕 200 年祝典のために書かれた。 この曲は元々ピアノのために作曲されたが, 1885 年の初めに弦楽オーケストラのためのもう一つの同じ語法による曲を書いた。 この作品の副題は 「古風な形式による組曲」 となっている。
 やや乱れが感じられるが, 生で聴くと vc が一段と素敵。

13:00 -- アンコール
Gioacchino Antonio Rossini (1792 -- 1868, ロッシーニ): ソナタ第三番 in C-dur より 3rd Mvt.
Christoph Willibald Gluck (1714 -- 1787, グルック): Allegretto (pizzicato の曲)

アンコールはなかなか楽しめた。

第一部と, 第二部は違う ticket なので, 全員退出。

昼はお茶だけ買っておにぎりを三つ食べる。

[第二部] 13:50 開場。

今度はサイン会があるとかの触れ込みで CD 販売をしている。

Vn のザハール・ブロンは 1947 年のウラリスク生まれでイーゴリ・オイストラフに師事。1999 -- 2003 横浜みなとみらいホール 「ヨコハマ ザハール・ブロン ヴァイオリンセミナー」 を開講していて, このセミナーの受講生の中から国内外で活躍する奏者が出ているそうである。
 その所為か第二部の方が客の入りが良い。 マナーも大分良い。 多分弟子, 孫弟子が沢山来ているのであろう。
 客席案内係が第一部の人と入れ替わっている。 オケの member は入れ替わっていないようである。

14:30--

スラマジャンは旧ソ連のコミタス弦楽四重奏団で 1925 年結成時から, 1968 年迄 vc で活躍。 モスクワ音楽院で vc と弦楽四重奏の教授を努める傍ら, 弦楽四重奏や弦楽オケの為の作品を数多く残しているのだそうである。 「ヘンデルのパッサカリア変奏曲」 は Händel の passacaglia の旋律を主題にした変奏曲だそうである。 低弦主体で重厚である。 この曲注に携帯を鳴らした者がいる。

15:40 独奏者用の譜面台を出して来る。 ここで独奏者 tuning.

Mendelssohn の vn concerto は有名な e-moll ではなく, d-moll である。 私もうっかりして program を見るまで気付かなかった。 これは 13 歳の時の作品であるが, 1951 年に Yehudi Menuhin が London の Mendelssohn 家で発見した物。 1822 年に violinist のリーツの為に作曲したと記されているそうである。 三楽章。 (聞いたところ cadenza なし)。
 派手過ぎにならずに抑圧の効いた演奏。 最初のうち時折音程が不安定だったが, 段々安定してきた。
 2nd Mvt. メランコリックな solo.
 3rd Mvt. Rondo. cadenza のような部分が出て来るが短い。

15:07 譜面台回収。

15:09-- G 線上のアリア。 最初一寸音のきしみあり。 曲の途中でフラッシュ焚いた人がいた (?)。 装飾音の処理が一寸気になるところあり。

15:15 -- Zigeunerweisen. 第二部 (フリス ?) の冒頭の音が...。 弾き漏れがあった (音飛びを感じる)。

15:25 -- アンコールで G 線上のアリア。 こっちの方が良い演奏であった。

帰りの下り階段のところで, 昔の SP 盤を捨てなければよかったと語り合っていた人々がいた。 全くその通り! CD や LD も聴けなく (見れなく) なっても一応はとっておこう (最悪の場合でも中古屋に売ろう。 他の誰かが聴けたり見れたりするかもしれないから)。


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