種谷睦子 marimba concert

Sunday, 10th October, 2004.
神奈川県民ホール 小ホール
15:00 -- 17:10


W. A. Mozart: Divertiment in D-dur. K. 136 (arranged for four marimbas).

J. S. Bach: Chaconne from BWV 1004 (arranged for a marimba).

一柳慧: Paganini Personal (for a marimba and a pfte)

権代 (ごんだい) 敦彦: 木霊 (こだま) (新作) (for a cello-marimba) (神奈川県民ホール開館 30 周年記念委嘱作品)

一柳慧: Ballade for a cello-marimba. (cello marimba solo)

P. Sarasate: Zigeunerweisen (for a marimba and a pfte.)

種谷 (たねや) 睦子, marimba.
菅原 (あつし), ditto.
岡田眞利子, ditto.
安原千晶, ditto.
一柳慧, pfte.


「チェロマリンバ」 という聞き慣れない楽器に惹かれて, ticket 購入。 非常に良く晴れた日。 まだ梅雨入りしていないので, Europe の様に爽やかな気候。 この日が ticket 発売日。 「上り坂コンサート」 と一緒に ticket 購入をする為, 神奈川県民ホールへ。 三枚纏めて購入すると, (上り坂の set 券割引もはいって) 郵送費もかからずに安く上がる。

11:00 頃日本大通で偶然に 「新聞少年の像」 除幕式を目撃。 今日は 「新聞少年の日」 なのだそうだ。 Hall に着いてみると, 「関東体育指導委員研究大会」 の二日目だったらしい。 同僚, 又は元同僚と会ってしまわないかと一寸ドキドキ。 が, 誰にも会わず。

Hall の ticket centre へ行ってみると, 職員がチラシを三つ折りにしていた。 Ticket 用か? はたまた DM 用か?  今回は, DM を持って行ったので話が早かった。 座席は 5-22 を購入。 やっぱり, play guide で購入すると座席が選べていい。 三枚で \8500. Nyman は一夜で \8000 だから安いものだ。 安いので, ついうっかり credit card で買おうと思っていたのに, 現金購入してしまった。 まぁそれはそれで良い。 これで十月は三日予定が入った。

Saturday, 5th June, 2004.

チェロマリンバとは:

音板毎に付いている通常金属製の共鳴筒が, チェロマリンバでは一見 guitar の様に見える木製の長円胴が波打つようにぶら下がっています。 この木製の共鳴筒は, それぞれ内部に三層の木が貼り付けられ, 微妙な響きを醸し出す工夫がなされています。 Marimba 制作者として世界の演奏家からも信頼の厚い名匠, 水野三郎氏の手に拠るものです。 製作に着手を始めて (sic) 八年, 企画段階を含めると十年の歳月をかけた, 世界に唯一つの大変貴重な楽器です。 「チェロマリンバ」 という名前は, その古楽器のような柔らかで暖かみのある音色の個性から, 種谷自身が命名したものです。 本 concert では, このチェロマリンバの為に作られた二曲 (一柳慧: Ballade, 権代敦彦による新作) が演奏されます。 世界にたった一つのチェロマリンバとそのまろやかで幻想的な音色をじっくりとお楽しみください。

チラシより


雨。 最初小雨だったが, 段々本格的に。 が, 昨日の台風からすると大したことなし。

14:00 頃ホールに着くが, 大ホールの方は神奈川フィルで 「フィガロ」 をやっていて, その序曲がよく聞えた。 山下公園では小雨なのに何かの event をやっていた。 「フィガロ」 だが, 既に始まっているのに入場する人が何人かいて一寸びっくり。 港からの霧笛も聞こえる。

このコンサートは最初この回だけだったのだが, あとから 19:00 からの回が追加公演として入った。 なんだか釈然としない。 あとからの回の方がもしかしたら盛り上がるかもしれないし, アンコールなんかも何度もやるかもしれない。 意外にそうではないかもしれないが。

コンサートの聴衆の年齢層はかなり高い。 そうかと思うと小学生らしいのもちらほらいる。 勿論親に連れられて来ているのだろうが。

14:59 チャイム。 15:02 アナウンス。 微妙に空席あり。 売り切れの筈だが。 傘を持っている人がいるのが気になる (音を立てられるんじゃないかと, 予感は的中した)。 15:03 客電落ちる。

Mozart Divertiment 15:05--15:16

マリンバ四重奏と書いてあるが, 正確には三台のマリンバで, 一台が連弾。
2nd vn (相当, 以下略) 岡田; 1st vn 種谷 & vc 菅原 (ここが連弾); va 安原。
全曲に cello-marimba が使われるのかと思ったらそうではなかったのが一寸残念。
(1st Mvt. のあとに拍手があり, 僅かに失笑)
元々弦の曲だからマリンバだと一寸硬すぎる感じがする。
3rd Mvt. がとても良い感じ。

連弾していたマリンバは特注の大型マリンバで, チェロマリンバと同じ水野三郎製作 (1972) のミズノ・グランド・マリンバ, 音域は五オクターブ半, 全長 3.1m だそうだ。

楽器の移動

Bach Chaconne 15:17 -- 15:34

マレットいっぱい。 4 本→ 3 → 2 → 4 と持つ本数を変える。
途中何ヶ所かミスタッチがあったと思われる。 これがなくなれば最高。
マレット二本からこの音が出せるとは驚異以外の何ものでもない。

Pfte を移動させて, お話。 (--15:42)

一柳から種谷に質問: 編曲のきっかけ。
50 年前卓上木琴から始めた (6 歳)。 マリンバの曲というのは殆どないのでアレンジが当たり前。 ウイリアム・テルとかクシコフポスト等。

日本の作曲家への委嘱をするのは。
1968 年デビューリサイタルを地元の大阪でやった。 曲が上がるのが遅くて一週間で練習した。 やはり original 曲は違う。 日本の作曲家の level は高い。 欧米の 「音が多くて音楽がない」 というのとは違う。

暗譜で弾いているのが凄い, 昨日は九時間, 今日も直前まで練習していた (と一柳が言うと), 暗譜しないと実は弾けない, 3m もあるし重心の位置が変わると上手く弾けなくなる。

一柳 「ピアノは素人ですから」。

Paganini Personal 15:42--15:53

かなり前衛的。 24 のカプリースから。 ピアノがもっと強く出て来てもいいと思う。 幻想的な部分に限って客がうるさい。 がこの曲は面白いし, 素晴らしい。

《休憩 15 分》

この間にあまりに素晴らしかったので, 種谷の CD を三枚購入。 CD の単価が高いがまあしょうがない。 壊れたと思ったエアコンが動いたから良しとしよう。 一柳と権代の楽譜も売っていたが一寸高かったので (一柳の Paganini Personal が \2100) 買わなかった。

あとで調べたら CD を最後に買ったのは去年の Xenakis ensemble 以来だということが判明。

舞台上には木製の cello-marimba が置いてある。 譜面台二つ, マレット置きも二つ。

16:08 チャイム。

16:10 先ず説明 (客席にいた権代氏を呼んで)。
Ballade が cello-marimba の最初の曲。 最初チェロマリンバと聞いて, チェロがマリンバとくっついているのかと思ったと。 チェロの音域, ふくよかな低音と倍音がある。 ホールで聞くと響きが違う。 木霊という曲は, 木から発想した。 グァテマラで水野氏が木を取ってきて作った。 その木の魂をばちで叩き出してもらおうという感じ。 木の魂と, echo の 「木霊」。
種谷 「木を入れないと弾けない」。
連弾にしたら倍音の響きがいい。 チェロマリンバのパイプは三枚の薄い木で出来ている。

木霊 16:20 -- 16:40 (最初チェロマリンバ二重奏と書いてあったが, 連弾である。 種谷 & 菅原)

中低音域に豊かな響き。 倍音が良い。 クレッシェンドを多用。 (ドレーミファソという音型) これもなかなか素晴らしい。

Ballade 16:42--16:52

一度出て来たが, ばちが足りなくて取りに行く。
低音が多く荘重な感じ。 確かに物語があるような気になる。

16:52 一柳氏登場。 楽器移動。

Zigeunerweisen 16:54--17:03

やはり速いパッセージの所でのミスは避けられず。
咳がうるさい。 17:00 に時計を鳴らした者あり。
ピアノとだと共に打楽器なので時に音がきつすぎるところがある。

《アンコール》
滝廉太郎 荒城の月 (variation) 17:05--17:09
情感溢れる良い演奏だった。

花束贈呈。

私としてはチェロマリンバで古典曲の演奏も聴いてみたかった。


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