辻元公惠 piano recital

Friday, 15th April, 2005.
王子ホール
19:00 -- 20:37

Ludwig van Beethoven (1770 -- 1827)

Klaviersonaten:
Nr. 30 in E-dur, op. 109, 1820.
Nr. 31 in As-dur, op. 110, 1821.
Nr. 32 in c-moll, op. 111, 1821/22.

辻元公惠, pfte.


Net 上で, 北海道在住のこの pianist の事を知り, 朝日新聞マリオンで, 招待券が当たるというので出してみたら当たったのだった。 王子ホールは初めてである。

ところで 「ぶらあぼ」 の誌上でも募集していたのだが, こちらでは大変な反響で, 選ぶのが大変だったそうだ。 朝日の方はそれほどでもなかったのかな?


晴。 昼はまあまあ暖かだったが, 夕になって涼しくなってきた。

東京メトロの新宿駅 A-12 出口はホールの直ぐ前当たりなのだが, 電車を降りてからその出口に行くまでが遠い。

ホールに入って, エレベーターの前にチラシがあったので一枚貰う。 チラシには Klaviersonate とドイツ語で書いてあるのに No. 30 と英語表記なのが一寸だけ気になる。

自由席。 招待券を貰って入ったくせに図々しくも K-12 (後ろ寄り中央) を確保。 ホールの中では FOMA は圏外。

17:02 頃チャイムの代わりに (食事の合図などに使う) ベルを鳴らしているようだった。 客の入りは二割程度? 一寸閑散とした感じ。 年齢層は高い。 小中学生くらいの人も二人見かけた。

今日の三曲は後で調べたら, Beethoven のピアノソナタの最後の三曲。

17:05 頃客電落ちる。 空色のドレス。 僕の感じからいうと, 割と鍵盤から離れて座っている。

17:07
Klaviersonate Nr. 30, in E-dur, op. 109, 1820.
I Vivace, ma non troppo in E-dur, 2/4
II Prestissimo in e-moll 6/8
III gesangvoll, mit innigster Empfindung in E-dur, 3/4

幻想曲風の一楽章。 音の混濁があって pedalling が一寸気になる。 三楽章はもうちょっと遅くても良いかなと思う。 誰かが演奏中に鈴を鳴らして気になる。 フェレうまーたももう少したっぷり取っていいんじゃないかと思ったり。 ミスタッチが一寸あった。 この変奏曲は美しい。 途中で寝息が聞こえてくる。 演奏しにくかったんじゃないか。

この人は楽章間の間をあまり取らないので, 曲の境目が分かりにくい。 そういうわけでもしかして次の曲と混じっちゃってるかもしれない。

ここで演奏者が手を拭いた。 (だから多分曲の切れ目だろう)

Klaviersonate Nr. 31 in As-dur, op. 110, 1821.
I Moderato cantabile molto espressivo in As-dur, 3/4.
II Allegro molto in f-moll, 2/4
III Adagio ma non troppo

二楽章のスケルツォが面白い。 三楽章 「嘆きの歌」 は素敵。

《休憩》 17:45 -- 20:02
アナウンスがないので, 何分の休憩だか不明。
休憩中調律あり。

20:02 ベル。

20:05 -- 20:28
Klaviersonate Nr. 32 in c-moll, op. 111, 1821/22.
I Maestoso in c-moll 4/4.
II Arietta-Adagio molto semplice e cantabile 9/16.

一楽章はタッチが良くコントロールされている。
二楽章最初 (Arietta) は一寸速いかなあ, それを除けば完璧。 変奏に入ってとても良いところでくしゃみ。 もうちょっと我慢して欲しかった。

アンコール: 20:30 -- 20:35
1. Mvt Adagio sostenuto in cis-moll 2/2 von Klaviersonate (Sonata quasi una Fantasia) Nr. 14 op. 27 Nr. 2 Der Gräfin Julie Guicciardi gewidmet. (月光)

左の音をもっと出した方がいいんじゃないだろうか。

あんまり期待していなかったのだが, 全般的に非常に良かった。 と言うか, 私はあまり pfte は聴かないが, 聴いた中では出色の出来。

地方にもこういう良い pianist がいるということは, 日本の pfte の層もかなり厚いと見なければならないだろう。

ところで, ご本人を見た感じだと, HP の top とか, CD の写真 (だと思うが) の方は大分老けて見えるが, 実際はチラシの表の写真の方が印象に近く, もっと若々しい感じである。 HP の top の写真はもうちょっと考えた方が良かろう。


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