周期函数の最小周期

Tuesday, 19th August, 2003.
Saturday, 23rd 2007.


函数 f(x) を定数函数ではない連続な周期函数, {p| ∀x∈R(f(x + p) = f(x))} としよう。 この時

∃p0 = min{p > 0 |∀x∈R(f(x + p) = f(x))}

が最小限を持つ事は明らかであろう。

念の為に証明すると:
p1 を他の正周期とする時, p1 が p0 の倍数でない時は (n - 1)p0 < p1 < np0 なる自然数 n が取れるから, p2 = np0 - p1 (定義から 0 < p2 < p0) も周期となり, p0 の最小性に反する 。


「通りすがり」 氏のご指摘により 「連続な」 を挿入した。

Saturday, 23rd June, 2007.


疑う故に存在する我 氏のご指摘によりほぼ全面的に書き改めた。 元の文も残しておく。

函数 f(x) を定数函数ではない連続な周期函数, {p| ∀x∈R(f(x + p) = f(x))} としよう。 この時

∃p0 = min{ |p| |∀x∈R(f(x + p) = f(x))}

で {p| ∀x∈R(f(x + p) = f(x))} = {np0| n ∈ Z} を示そう。 さて, f(x) は定数函数ではないので, 上記のような最小値 p0 が存在することは明らかである。 もしもこの時 ∃p1∀n ∈ Z(p1 ≠ np0) が f の周期であるとしよう。 今もし ∃m∃n ∈ Z(m ≠ 1, mp1 = np0) とすると p1 = np0/m だから (m > n でも m < n でも) 0 < p2 < p0 となる周期があることになり, p0 の最小性に反する。 従って p1/p0 は無理数でなければならないが, この数が無理数であるから, 適当な整数 m, n を採ると p1/p0 - m/n は幾らでも小さくできる。 ということは即ち mp1 - np0 も幾らでも小さな数とすることが出来ることを示している。 ところが p1 も p0 も 周期なので, これは幾らでも小さな周期が存在することを示している。 ところが f は定数函数ではないので, そういうことはあり得ない。

よって定数函数以外の連続な周期函数には正で最小の基本周期が存在する。

Sunday, 17th January, 2010.


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