戦争と平和に関する格言

戦争とは平和なり。

オーウェル

戦争の影響で食料が無くなるのではない。食料が無くなることが戦争なのだ。

斎藤美奈子
戦争のレシピ 太平洋戦争下の食を知る

和平交渉は地雷を取り除く作業に似ている。 一歩一歩, 辛抱強く進めなくては。

ウィクラマシンハ首相 (スリランカ)
Saturday, 17th August, 2002 の演説から

「戦争」 を知らないと 「平和」 は語ることが出来ない。 「戦争」 を 「戦争」 であるというだけで遠ざけてしまっていては, 「平和」 の前髪まで掴み損なってしまう。 戦争をしている人々は実は平和に対してもまことに熱心である。 そのことを, 私は兵士たちの間に身を置いて意外に思い, やがて納得したのである。

宮嶋茂樹, 写真家
戦後とは何だ (上)
兵士とともに考えた
朝日新聞, evening, Wednesday, 7th August, 2002.

R 「第一次世界大戦中の事だが, ドイツ兵がベルギーの或る教会に乱入して, 死体を鐘の舌代わりに使った, という様な反独プロパガンダが有った。 アメリカも日本について, 悪意的な報道を繰り返した。」
加藤 「日本も米英に対して連日やっていましたが。」
R 「問題は報道のひどさではない。 民衆がそれを信じるか, 信じないか, だ。 民主主義の国では信じるが, 全体主義の国では絶対信じない。 毎日の新聞を開くたびに, 戦争について, どうせ嘘ばかり書いてあるのだろう, と飛ばしてしまう。 だから, 社会面で少なくとも何か信じられる様な報道は無いかと探すんだね」

ヨゼフ・ロッゲンドルフ Josef Roggendorf / 加藤恭子
和魂・洋魂
講談社

正義の戦争などあり得ない。

ボブ・グリーンの父
Duty by ボブ・グリーン

人間の心の中には, 平和への努力に抗う種々の力が働いている。 人間を憎悪と破壊という病に侵されないようにすることはできるのか?

Albert Einstein
「ヒトはなぜ戦争をするのか?」
花風社

記憶しよう。記憶すべきだ。我々の脳裏に, 我々のすべてに希望はある。

エリー・ウィーゼル
広島, 平和記念資料館

人類から愛国主義者をなくすまでは, 平和な世界は来ないであろう。

George Bernard Shaw (バーナード・ショー)

良い戦争も無ければ, 悪い平和も無い。

フランクリン (アメリカ独立宣言起草委員)

私は, われわれがまだ流すべき血を持っていることを願う。 例えそれがわたしに親しい人々の血であらねばならぬとしても。 …… 何故なら, 幾らかの犠牲なしには救いもなく, 自ら勝ち取ろうと努力しなかったら, 完全な国民的自由も亦ないのだから。

マルク・ブロック (歴史学者, 1944 年 6 月 15 日ゲシュタポによって銃殺される)

戦争の目的は平和である。

アリストテレース

一人を殺す物は兇漢であり, 万人を殺す物は英雄である。

イギリスの諺

勇気が徳の中では最善のものという訳でもないのに, 諸国家がそれを特に尊重するのは何故であろうか。 或いはそれは, 諸国家は絶えず戦争をしかけたり, しかけられたりし続けているが, この徳はその何れの場合でも最も役に立つからであろうか。 実に彼等が尊重するのは, [其自体としての] 最善なものではなく, 自分達にとっての最善なるものなのである。

’Αριστοτέλης (アリストテレス)
Πρόβληματα (問題集) 第 11 巻 27-5

戦争を続けようとする者にも亦戦争を始めた者と同様の罪があるのです。或いはそれ以上の罪があるかもしれません, 何故なら, 真っ先に始めた方は恐らく戦争の惨禍をことごと悉く予想していたわけではありませんからね。

Marcel Proust (マルセル・プルースト)
A la Recherche du Temps Perdu.
Tome VII Temps Retrouve
(失われた時を求めて 見出された時 井上究一郎訳) 第二章

戦争とは嘘の体系である。

カルル・クラウス

先ず戦争を知っている人が戦争を止めないといかんのやな。

藤本義一の日日 (ひび) 日日 (にちじつ)
朝日新聞, evening, Monday, 21st August, 2000.

Nationalists は, 自国が他のどの国よりも強くありたいと熱望している。 あの人達はいざ他国を攻めるとなれば, 他国の兵士を殺してやりたいという興奮に取り付かれるのだろうか。 かつての日本人の多くはそうだった。

星野芳郎, 技術評論家
時のかたち
剣闘士と現代
朝日新聞, evening, Thursday, 24th August, 2000.

過ぎ去った日は直すことの出来ないものであるから。

キム・ハンギル
日記への序文から

アウシュビッツよりももっと恐ろしい唯一のことは人類がアウシュビッツの悲劇を忘れることである。

キム・ハンギル
日記への序文から (?)

戦争の悲劇については, 誰でも容易に想像できる。 しかし, 戦争が何故繰り返されて来たのかを極めることは意外に難しい。

山内昌之, 歴史学者
永遠の宿題
なぜ戦争はなくならないのか
朝日新聞, evening, Wednesday, 15th August, 2001

軍人だけが勝利し, 市民は常に犠牲者となる。 これが, 軍事を暴力装置として特化させた現代の paradox である。

今福龍太, 札幌大教授
e メール時評
犠牲者は常に市民だ
朝日新聞, morning, Monday, 17th September, 2001

詩と歌と愛を分かち合おう。 戦いではなく。

Union Square in USA (WTC に近い公園) に書かれた message.

最も早く戦争を終わらせる方法は負けることだ。

ジョージ・オーウェル

人間の歴史は闘争の歴史だった。

コジェーブ, 哲学者

我々の平和とは? アメリカの武器によって強いられたパックス・アメリカーナではない。 墓場の平和, 奴隷の安全でもない。
それは人々が子供達のためにより良い生活を築く希望のある真の平和。永続する平和。それを不可能, 非現実的というのは敗北主義である。 人間がもたらした問題は人間が解決できるはず。
結局の所, 我々は皆この小さな地球に住み, 同じ空気を吸い, 子供の未来を思いやりながら, 命を終えるのだから。

J. F. ケネディ
平和の戦略 (演説)
June, 1963.
アメリカン大学

血を流すことを厭うものは, それを厭わない者によって, 必ず征服される。

クラウセビッツ
戦争論

戦争は人類の宿命ではない。

佐原真
考古学者

特攻隊員を立派だと讃えるだけでは, 今尚書物の上で戦争を続けていることではないか。

保阪正康 (の息子)
時のかたち
息子の言葉
朝日新聞, evening, Monday 11th November, 2002.

軍が国民を守ってくれると思っているのは幻想だよ。 歴史的に見て, 軍が国民を守ってくれた例は稀にしか無い。

梁石日
終りなき始まり

私達は新聞や放送の報道は信じない。 確かな情報は bus の中で口から口に伝わってゆく囁き声から得られるのです。

ベオグラードの不詳のガイド女性
1971

攻める時は, みんな一緒の方が, 効率的やけど, 固まって逃げたら一斉にやられる。 今, 経済は 「第二の敗戦」 っていわれるでしょ。 そんな時, みんな一緒のことやってたら, 終りですよ。 まあ, 「いち抜けた」 と言うのは怖くて, みんな一緒に地獄に落ちる方が, 楽なんやが。

森毅
文化
朝日新聞, morning, Wednesday, 1st January, 2003.

世界平和のために出来ることですか? 先ず家に帰って家族を愛しなさい。

マザー・テレサ

本当の戦争には映画のような hero なんていない。

不詳
ある海兵隊員との約束
イラク戦争 記者の目
朝日新聞, morning, Tuesday, 1st April, 2003.

愚劣でない戦争など, これまでもなかったし, これからもあり得はしない。

片山恭一
街日和
百年公園で空を眺める
朝日新聞, evening, Saturday, 9th August, 2003.

理想を掲げて戦う者は厄介だ。

ファン・ゴイティソーロ, 作家
(天声人語
朝日新聞, morning, Monday, 29th September 29, 2003.)

天に根差す者は, 地に平和をもたらさない。

不詳のスペインの詩人
(天声人語
朝日新聞, morning, Monday, 29th September 29, 2003.)

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