Madama Butterfly --- high light

Friday, 11th May, 2001.
きゅりあん小ホール
18:30 -- ca. 20:30

Giacomo Puccini (プッチーニ): Madama Butterfly (蝶々夫人)

第一幕より

アメリカ万歳 (America forever) ピンカートンとシャープレスの duet.
星空の下での愛の二重唱 (ピンカートン, ちょうちょうさん)

第二幕第二場より

ある晴れた日に (ちょうちょうさん, すずき)
友よ見つけて (ちょうちょうさん, シャープレス)
花の二重唱 (ちょうちょうさん, すずき)

(以上約 1 hr 10 min)
15 分休憩

第二幕第二場より

さらば愛の家
名誉を守ることが出来なければ


演出: 田中孝男

蝶々夫人: 野田朋香, sop.
ピンカートン: 有銘哲也, ten.
すずき: 牧野真由美, mzsop.
シャープレス: 立花敏弘, br.
ケイト: 高橋敦子, sop.
坊や: 佐藤弾

narration: 吉田良子
pfte: 平塚洋子

主催: 東京オペラ愛好会


この日はバレーボール大会の日であった。 行く前までに色々支障が生じた。 行く直前になって, 突然正四角錐の表面積の求め方を尋ねられたこと, 又別の人から, Ludwig Wittgenstein (ヴィトゲンシュタイン) の 「論理哲学論考」 について質問を受けたので, 書店に寄って購入したことだ。 道すがら坂井秀寿が書いている Wittgenstein 小伝を読んで, 結構面白いと思う。

きゅりあんは二回目。 最初に来たのはいつだったか覚えていないが, 確か私の大学のオケの定期演奏会であったと思う。 勿論これは大ホールだから小ホールは初めてである。

18:00 頃到着。 一寸だけカンパ箱に現金を投入すると, 署名を求められ, 代表者なのかどうか分からないが, 女性から 「青木です」 と名乗られた。 勧められるままに, 一階席の後ろの方からの入り口の方に進んでいくと, そこにいた二, 三人の男性の中から 「phaos さんだ」 との囁きが聞かれる。 もしかして net 上の毒舌批評家として有名 ? (爆) 私の顔を見て HN が分かるというのは誰だったのだろう ? 名乗り出なさい (笑) --- しかし, 私の HN を知っている人が参加していたと思うと, ここにやたらなこと書けないな (^_^;;。 L 10 の席に座る。

席を見回すと, 年配の方が多い。 若い人もちらほら。 そして佐藤弾君の友達かもしれぬと思われる小学生くらいの子供が, あとから二階席を占有していた。 「東京オペラ愛好会」 というのはそのあと何人かに訊いてみたが誰も知らない。 良くパンフレットの 「ごあいさつ」 なるものなどを読んでみると, どうやら同好の士が集まって, このようなコンサートを開催するという趣旨の会であるようである。 出演する側の会ではないらしい。

最初の速い passage はピアノが一寸乱れたが, この passage は難しそうであった --- 少なくとも私には弾けない (笑)。 平塚洋子さんの pfte は表情豊かで素晴らしい。 俺もこのくらい上手く弾けたらいい (笑)。

ハイライトだから, あまり乗ってないときにいきなりクライマックスが来てしまう所為かもしれないが, やはり最初の頃, 野田朋香さんも有銘哲也さんも, 一寸調子が悪かったところが見受けられた。 野田朋香さんはさすがであるが, 中音域の mp 位が少し難しい。 克服するともっと大成するだろう --- えらそう (笑)。 有銘哲也さんのピンカートンは実にいい。 牧野真由美さんもさすがだ。 立花敏弘さんも安定している。 ケイト役の高橋敦子さんはそういう役なのかもっと強く歌っても良かったかと思われる。

実は 「蝶々夫人」 は NHK-FM で全曲聴いたくらいで, ハイライトとは言え, 見るのは今回が初めてであった。 意外に dolce nòtte 程度の簡単なイタリア語は分かって, 意外に分かるじゃんとか思ってイタリア語も勉強してみようかななどと思う --- 安直且つ無謀 (笑)。 星空の下での愛の二重唱と, ある晴れた日には最後が伸びずに 「あれっ」 と思わされた。 そんなものなのだろうか ? もう一寸余韻たっぷりに伸ばしてもいいんじゃないだろうか ?

演出は, 見るのが初めてなんだからろくなことが言えないが, ある晴れた日にの際に, 背景の所でピンカートンがシルエットになっているのなどは, さすがと思わされた。 第二幕第二場のところで, ちょうちょうさんが, アメリカ側の三人をやはり back に見るところで, 横から light を当てているのがあったのだが, この時 「星空」 に使った電灯の cable の影がはっきり見えてしまって, 非常に残念であった。 それから第一幕第一場の最後 (休憩前) 登場人物が傘を持って舞台を横切っていくシーンがあったが, ここの意図が良く分からなかった。 全編見れば分かるのであろうか ? 又舞台上手 (向かって右) に風車が確か二つ置いてあるのだが, その意図も良く分からなかった。

一寸残念だったのはホールがこの演奏にみあうほど良くなかったこと。 入場者ももっと入って不思議はないと思われる。 宣伝して \500 でもいいから入場料を取ったらよいのでは ? 尤も入場料を取ると, 途端にホールの貸出料金が高くなるというのを私も知らないではないから, \500 ではやっていけないのかもしれん。


ところでふと思ったが, どうして最近 「豚飼い王子」 といい, これといいひどい男が main の物語ばかり重なってしまったのだろう ? というかどうしてこういう男をこんなにひどい奴と思うのか, と自己分析した結果, やっぱり自分がもてないからじゃないかという結論に達した (笑)。 「豚飼い王子」 の王子だって 「王子の名は遠い国々まで知られていて, 王子に結婚を申し込まれたら, 嬉しがりそうなお姫様は何百人もあった」 と書かれているし, ピンカートンは日本にもアメリカにも妻がいるっていうことになるしだ。 もててる男が見ると又意見が違うのか ? Couple で見るとどういう意見を持つのか一寸訊いてみたい気もする (笑)。


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