La Traviata (椿姫)

Saturday, 4th August, 2001.
なかのZERO
18:00 -- 20:40

Guiseppe Verdi (ヴェルディ, Itaria, 1813 -- 1901)
La Traviata (椿姫, 直訳すると 「道を踏み外した女」)

Libretto: Francesco Maria Piave (台本: ピアーヴェ)
原作: Alexandre Duma, fils (アレクサンドル・デュマ・フィス)
La Dame aux Camélias (椿を持つ女)

指揮: 金井誠
演出: 恵川 (えがわ) 智美

Violetta Vallery (ヴィオレッタ・ヴァレリー): 悦田 (えつだ) 比呂子, soprano
Alfredo Germont (アルフレード・ジェルモン): 石川誠二, tenor
Geortio, Germont (ジョルジオ・ジェルモン): 小川裕二, baritone
Flora Bervoix (フローラ・ベルヴォア): 相澤真由美, mezzo soprano
Gastone, Visconte di Letoiéres (ガストーネ, レトリエール子爵): 塚田堂る (とおる, るの字は王偏に流の右側), tenor
Il Barone Douphol (ドゥフォール男爵): 井上白葉 (はくよう), baritone
Il Marchese D'Obigny (ドビニー侯爵): 和田英樹, basso
Il Dottor Grenvil (グレンヴィル医師): 松山いくお
Annina (アンニーナ): 谷川深雪, soprano

dance: 大西いづみ, 時田ひとし

合唱: コレギウム・ムジクム・オペラ合唱団
管弦楽: コレギウム・ムジクム


雨が心配されていたが, この日は曇り。 以前に中野サンプラザには来たことがあったが, 中野の南口に降り立ったのは今回が初めて。 今回もいつもの可愛い元生徒を伴っての鑑賞。

なかのZEROという hall は彼女が専門学校の入学式, 卒業式を行ったところだそうで, そういうわけだから彼女に連れていってもらうことにした。 道すがら 後ろを歩く人々が 「乾杯の歌を聞いたら帰っちゃおうか」 というような話をしているのを聞いて, この道を歩いている人達は皆, opera に行くのかなぁというような話をする。 歳をとった人の発声法が今の人々と大分違うのは, 以前はああいう発声法で勉強した所為だという事を彼女が教えてくれた。

今回の席は, 前の方ではあるが, 一番左であった。 その所為で直接音よりも, 反射音の方が多かった。 それはまぁいいが, その隣の席のかなり年配の女性が問題だった (後述)。 今回 La Traviata にしたのは, 彼女が初めて TV で見た opera がこれで非常に感動したからというので, 直近のを探してやってきたのであった。

第一幕 (6:05 -- 6:35)

普通序曲の間というのは幕が降りていると思うのだが, 幕を開けて序曲を演奏し始める (これはこのあとも同じ)。 字幕が電光掲示板を用いた新しい system ではなく, 舞台の上の方に小さな screen を置いて, そこに投影する system なので, 少し見にくい。 件の年配の女性が, opera が始まってからこれについて何やら自分の連れと話し出すので閉口する。

女性陣はさすが。 しかしどうも Alfredo の声が小さい。 あとの方でも合唱部, オケなどに埋もれてしまうことが屡々。

一幕最後の 「花から花へ Semple libra degg'io」 は, 良くご存じのように banda で歌われる Alfredo の "Di quell'amor ch'e palpito" が聞こえたあと繰り返されるが, 最初と歌い方を幾分か変えたらいいと思うのだが, どうもそういう風には歌われなかった。 一寸残念。

[15 min 休憩]

第二幕 (6:50 -- 7:50)

Giorgio Germont (Alfredo の父) 役の baritone が非常に良い。 が, 有名な aria "Di Provenza il mar, il suol" (プロヴァンスの陸と海) の最終音で, 声が一部裏がえってしまった。 おしい。 一度しか出てこない 「遣いの者」 役の人は, 一寸残念な出来であった。

この幕の時に同じ着信音を三度も響かせた客がいた。 まったくなってない。

舞台の所為だとは思うが, 第一部と第二部 (台本の第 9 場以降) での場面転換に時間がかかりすぎる。 ここでオケが tuning するとは思わなかった。

[20 min 休憩]

第三幕 (8:12 -- 8:40)

例によって Alfredo が声が小さいことを除けば, 申し分はない。 只例の年配の女性が, 始まってから, これは臨終の床なのかしら, とか, 若い頃 「椿姫」 を読んだけどさっぱり覚えていやしない, とか, musical の方が楽しい, とか, 自分の連れと話しているので, さすがに私の連れも 「シー」 と言って, 静かにするように要請したのだが, 聞きゃあしない。 困ったものだ。

私は忘れていたが, ここで歌われる 「パリを離れて Parigi, o cara」 は 「真夏のオペラ・ガラ・コンサート」 でもアンコールで歌われていたのだと, 連れに指摘された。

curtain call (-- 8:48)

私の連れが, 普通より拍手が少ないとこぼしていた。

客の質が悪いことを除けば, 満足のいく舞台だったのに, まったくおしい。 件の女性はどうやら, その連れに無理矢理連れてこられたらしいのだが, つまらなくても眠っているとか, せめて他の人に迷惑をかけないようにしてもらいたいものだ。 最近の大人はまったく駄目だ (笑)。


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