Symphonie der Thausend

Thursday, 20th May, 2004.
横浜みなとみらいホール
19:00 --


Gustav Mahler (マーラー, 1860 -- 1911)

Symphonie Nr. 8 in Es-dur. »Symphonie der Thausend«
(交響曲第八番 「千人の交響曲」)

Erster Teil: Allegro impetuoso
Hymnus "Veni, creator spiritus"
Soprano I/II, Alto I/II, Tenor, Baritone, Bass, Chorus I/II, Boy's Chorus.

Zweiter Teil: Schlußzene aus Goethes »Faust II«

Poco adagio -- Più mosso (Allegro moderato)
"Waldung, sie schwankt heran"
Alto I, Tenor, Baritone, Bass, Chorus I/II, Boy's Chorus.

Äußerst langsam, Adagissimo
"Dir, der Unberührbaren"
Soprano I--III, Alto I/II, Tenor, Baritone, Bass, Boy's Chorus, Chorus I/II.

中村智子, soprano I - Magna peccatrix (罪深き女)
澤畑恵美, soprano II - Una poenitentium (贖罪の女の一人)
半田美和子, soprano III - Mater gloriosa (栄光の聖母)
手嶋眞佐子, alto I - Mulier samaritana (サマリアの女)
竹本節子, alto II - Maria aegyptiaca (エジプトのマリア)
福井敬, tenor - Doctor Marianus (マリアを讃える博士)
福島明也, baritone - Pater ecstaticus (法悦の神父)
長谷川顕, bass - Pater profundus (瞑想の神父)

晋友会合唱団 (合唱指揮: 関屋晋)
新宿文化センター開館 25 周年記念合唱団 (合唱指揮: 郡司博)
東京荒川少年少女合唱隊
オーケストラとうたうこども合唱団 (合唱指揮: 郡司博)

org. は不明

東京都交響楽団

Gary Bertini (ベルティーニ)


交響曲一曲から理解できる彼 (= Mahler) の世界はごく一部でしかありません。 チクルスをすることで, 彼により近付き, より深い理解が得られるんです。 又, チクルスをするということは, その作曲家の生涯を辿るようなものです。 回数を重ねると, 彼の生涯が自分の人生と重なり合ってくる。 そして自分の心を照らす光となってくれるのです。

管弦楽と opera, その balance を取るようにとずっと心がけてきました。 この二つを統合することが, 音楽家としての本来の在り方だと思う。 そんな風に言うよりも 「私は音楽そのものを抱き締めたいんだ」 って言った方が分かり易いかな。 Duo や quartet から歌まで, 音楽の全てを愛しているから。

Gary Bertini
Prestige
月刊ぶらあぼ (4).

Mahler の交響曲の特徴はなんといっても scale の大きさにありますが, 中でもこの 「千人の交響曲」 は編成の規模といい, 音楽の迫力といい, 空前絶後の音楽となっています。 金管のbanda (別働隊) や数多くの打楽器を含めて 120 人を超える orchestra, 8 人の soloists、二組に分かれた大合唱, 児童コーラス, それらに pipe organ が加わった音楽の壮大さは, まさに大宇宙の響きであり, 数多くの人数を必要とするところから 「千人の交響曲」 と呼ばれています。 1910 年 9 月に行われた初演では, 実際, 千人以上が stage に上がり, それを見た聴衆の驚きは半端ではなかったようです。
 全体は二部から出来ていて, 第一部は Latin 語, 第二部は Goethe の "Faust" からの引用によるドイツ語のテキストによっていますが, 第一部の開始からして度肝を抜かすほどの迫力はまさに Mahler ならではのものです。 壮大な合唱に続く solists たちの歌も聞きどころで, 特に二人の sopranos による詠唱も強く印象に残ります。
 第二部は 「Faust からの終幕の場」 で, 全体は三つに分かれていて, 合唱と orchestar が中心の第一部, 女声を中心とした第二部, 壮大な climax を築く第三部から出来ています。 八人の独唱者たちにそれぞれ役割が与えられているのも第二部の特徴で, 開始早々の低音弦と木管が奏する melody, それに続く合唱の神秘的な響きは, 大音響ばかりが話題にされるこの曲にあって注目に値する部分でしょう。 勿論, そのあとには orchestra の醍醐味を満喫させるに十分な音楽の盛り上がりがあって, 最後には第一部の最初で奏された theme を高らかに歌い上げて曲を閉じます。
 都響は、日本でこの交響曲を最も多く演奏している orchestra ですし, この曲に特別の思いを寄せる maestro Bertini の音楽作りに期待は高まります。

今村晃さん (前・都響参事) が語る
ベルティーニ/都響/マーラーシリーズ 第九回と第十回の魅力
http://www.city.yokohama.jp/me/mmhall/recommend/mahler910.html


演奏時間 約 75 分

台風二号 (ニーダ) 接近中。 三号 (オーマイス) もあるが影響は小さい。 朝から雨模様。 肌寒い。

音楽堂で ticket を買おうと思っていたら, 何と 17:00 までしかやっていないのであった。 確かに不便なところにはあるが, それはないんじゃないのと思いながらも仕方がないのでみなとみらいへ。 たまにこちら側から Landmark Tower に行くので前の道路を横切っている中二階 (?) に繋がる陸橋を渡ってみる。 雨じゃなければいい感じ。 Queen’s Square の中は, 節電のために照明を落としているのか, なんとなく暗く感じる。

Hall に入ってみると, live 録音をするということ。 二階席後方両端に banda 用の譜面台が置いてある。 左側 4, 右側 3. Banda を二階席に置くなら, その旨予め謳って, 更にそこには S 席とか A 席とか置かないで欲しい。 出来たら banda は三階席でお願いしたい。 二階席の人間にとっては本オケとの balance が悪くなる。

休憩なしで最後まで演奏するということである。

私の席は 2C3-15 だったが (org や合唱はよく聞こえて良かった) 2C4-14 の人が 2C3-14 に座っていたり, 2C3-17 & 18 の人が 2C2-18&19 に座っていたりという事件あり。 2C3-14 の女性はやや香水がきつい。

17:05 -- 17:10 合唱入場
17:10 から tuning.

17:07 (?) -- 19:25 Program にも歌詞が書いてなかったので, 字幕が欲しいなあという感じ。 うちにある Mahler の交響曲全集の CD には歌詞が全然書いていないのであった。
pp. の時に限って咳き込む人がいたので一寸閉口。
終幕間際の ff (fff…f?) の時に 2C3-18 の女性が叫び声を上げた。 びっくりしたのかもしれないが, 声は出さないようお願いしたい。 (身じろぎもするなとは言わないが) 第一部の盛り上がりが激しい分, 第二部最初の方がやや物足りなく感じてしまう。 勿論旋律の美しさは否めないのであるが。
オケは殆どミスのない緻密な作り。 Horn がよくやる attack の時に出す変な音もない。 (が実は banda が一瞬変な音を出したのだった。近くにいなければ気付かなかったであろう) それだけに Br が第二部の solo で発声ミスをしたのは一寸痛かった。 が, それも僅かなので全体としては非常に良い出来だったと言えよう。 CD になったら買って聴いてみる価値はある。
最後拍手はややフライング気味。 (もう少し我慢できなかったのか)
拍手は少なくとも 19:38 までは続いた。
拍手の最中に 2C2-14 (13?) の人が写真を撮って注意されていた。

第三 soprano の人は第二部の終わり頃に白いドレスで舞台上手から登場。 Harp 前当たりで歌う。 こういうのも CD では分からない。

プログラムを持っていくと横浜美術館が割引になるという。小さく書いてあるので気付かなかったが, これって効果があるんだろうか。


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