ここでは宗教的意義とかそういうことを論じるのではなく, 語源について。
先ず, 時々いるのだが, キリストは苗字ではないことを注意しておく。
キリスト Christ とはギリシャ語 Χριστός から出た言葉で, Χοίζω 即ち 「油を注ぐ」 の過去分詞, 「油を注がれたもの」 で, 救世主という意味。 クリスマスを屡々 Xmas と書くが, この X はギリシャ文字の chi である。 このギリシャ語はヘブライ語のメシア māshīah (これも 「油を注がれた者」 という意味) から来ている。
イエスとは, マタイ伝 1:23 では イザヤ書 7:14 を引用して
見よ, おとめが身ごもって男の子を産む。
その名はインマヌエルと呼ばれる。
といっており Immanuel (神我等と共にあり) だと言っているが, 実はヘブライ語の Yeshū‛āh であって, これは 「主の救い」 という意味であり, 「救う」という動詞 Yāsha‛ から派生している (三人称単数) ということである。