Sunday, 9th May, 2004.
日本は宴会や接待や何やらで色々飲む機会が多い。 多くの場合勘定は割勘である。 そうすると 「飲めないから損だ」 「飲まないと損だ」 と言う人々がいる。 というか寧ろそういう人が多数派である。 果してそうなのだろうか。
酒は百薬の長等と言うが, それは程々飲んだときの話であって, 損得を考えるほどに多量に飲んだときの話ではない。 損得を考えて飲むときは勢い深酒になる。 深酒をすれば二日酔いになったり, 或いは肝臓に負担がかかったりと何れにしても身体に悪い。 身体に悪ければ, その分健康診断をしたり, 後々は体が悪くなったりして薬代や診療代がかかる。 ということは, 長い目で見れば損をしないようにと飲むことはお金がかかって結局損ではないか。
では飲めない代わりにに食べてしまえと言う人もいるだろう。 でもそれは本当に得になるのか。 昔ならいざ知らず, 最近は栄養失調などという人はそうやたらにはいない。 いても, 飲み会などで身体にいいような食べ物はそうは出ない。 大抵塩分過多だったり, 油分過多だったりする。 そういうものを一気に摂取し, 元をとろうとすればどうなるか? 或いは高価な美味いもの --- 大抵そういうものは脂肪が多くて健康に悪い --- を食べて元をとろうとするとどうなるか? 肥満になったり, 腎臓を悪くしたり, 高脂血症になったり, 血中コレステロールが多くなったり... やはり健康に悪い。 そうでなくてもダイエットに幾らかけているのか? 更にダイエットするのに幾らかかるというのか? 薬代, 診療代はどの位かかることになるのか? そう考えると, やっぱりそういう場で元をとろうと食べるのは損ではないのか。
私が思うに, そういう場には出ないか, 出るのだったら適度に飲食をしたほうが長期的には得というもの。 宴会の場に出るのは, (アイドルのコンサートと同様) 雰囲気を楽しむとか, 会話を楽しむとか, 人間観察をするとかに使うのが良い。 行き詰まった仕事の突破口が見つかるかもしれない。 損得は短期的な金銭だけのものではないのだから, 飲食だけで考えるのは賤しさが現れていると言えよう。 それに飲みすぎればせっかく仕入れた情報も忘れてしまうかもしれないではないか。 古代ギリシャ人が, その人の死を見るまでは, 幸不幸を論じてはならないと言ったことを良く考えてみるべきである。