DOMAIN (ドメイン)

Thursday, 29th June, 2000.

熊川哲也 + プロジェクトK "DOMAIN ドメイン 熊川哲也 120 日間のバトル" という本の広告を昨日見つけた。

Domain とは普通の意味は, 領地とか領土, 分野等の意味に用いる。語源は Latin 語で dominus, 所有権, 支配という意味だそうである。

数学用語としての domain は普通は「領域」といったものである。高校で習う領域というのとは一寸違って, 数学用語の領域とは「連結開集合」のこと。もう少し分かりやすく言うと, つながっている (切れ目や飛び地のない) こと (これが連結 connected), 「ふち」とか「へり」 (どっちも漢字で書くと「縁」) ははいってないこと (これが開 open, 高校では点線で描くように指導しているもの) を満たしているものをいう。

実は領域は region を用いることが多く, 唯 domain というと domain of definition 即ち「定義域」(函数 y = f(x) で, x として代入することが許されている値の範囲) のことを指すことが多い。圏論 category theory では良く函数 (というか正確には射 morphism) f の定義域を Dom f とか Dom(f) とか書く。

その他にも, Integral domain (整域, ab = 0 のとき a = 0 か b = 0 に決まっているような集合) や, PID (= Principal Ideal Domain, 単項イデアル整域, 主イデアル整域, どのイデアルも単一の元で生成される環なのだが, ここの用語は一寸素人には難しすぎるね), UFD (= Unique Factorization Domain, 素元分解環, 因数分解が一意的に出来るような集合), Euclidean domain (ユークリッド整域, 忘れてしまったのだが, 確か, ユークリッドの互除法が成立するような集合) 等の用語があるが, 大体代数学の用語であって, 幾何学が専門の私には馴染みが薄いので, この辺の簡単な説明でお茶を濁しておく (^_^; 。この辺の言葉は大体「可換環論」の用語なので, もし興味があったらそういう本を見つけてみてみるのも良いだろうが, 可換環論はことのほか難しい。(代数の人に怒られるかも...)


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