ラティス lattice

Friday, 24th March, 2000.

Friday, 24th March, 2000 付けの朝日新聞の夕刊の「河相我聞(かわいがもん) の毎日がゲーム」によれば「ヌーサイト nousite」という会社から PS の 3D シューティングゲームとして 4 月 27 日に発売するものとして紹介されていた。

さて, 数学用語としてのラティスであるが, 日本語訳は「(そく)」 ということになっている ((ちな)みに中国では「格」だそうである)。

束 L には順序がついていて不等号を用いることができるようなものだけを考える。束 L の任意の x, y について「最大値 (本当は上限)」 xyx , y と 「最小値 (本当は下限)」 xyx , y とが適当に決まって, 次の三法則が 成り立つときを言う。

  1. (可換法則) xy = yx , xy = yx .
  2. (結合法則) x ∪ (yz) = (xy) ∪ z , x ∩ (yz) = (xy) ∩ z .
  3. (吸収法則) x ∪ (yx) = (xy) ∩ x = x .

いちばん有名なのは Boole 束 (ブール束, Boole 代数ということもある) で, L の要素としては 1 と 0 だけを考える。 記号 ∪ を "or", 記号 ∩ を "and" , 1 を「真 true」, 0 を「偽 false」とすることによって, L は束になる。 この場合は普通 ∪ の替わりに ∨ を, ∩ の替わりに ∧ を使うことが多い。

尚, 普通記号 ∪ を 「結び join」, 記号 ∩ を 「交わり meet」 と読む。 集合の記号「結び union」と「共通部分 intersection」としてこの記号を習った人も多いと思うが, 集合というのも一つの束を作っている。

又, 座標平面状の両座標とも整数である点のことを「格子点 lattice point」という (もっと難しい定義もある)。


参考文献:
前原昭二: 数理論理学序説, 共立全書, 160.
岩波数学辞典第 3 版 223 「束」, 187 「数の幾何」の項。

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