3D CG (three dimensional computer graphic, 三次元コンピュータ・グラフィック) で使われている。
ポリゴンとは多角形 (多辺形) のこと。
モノゴン (monogon, 一角形) というのも ヂゴン (? digon, 二角形) というのもあまり聞かない
というのはこれらは正確には「胞体 cell」だからである。(勿論多角形は皆 cell なのだが)
三角形はトリゴン trigon というよりは triangle という。
四角形もテトラゴン tetragon というよりは quadrangle, quadrilateral (四辺形) という方が多い。
五角形からは普通「(何とか) ゴン」の方を良く使う。n 角形を数学では
n-gon (n-ゴン) という。
五角形はアメリカ国防省の建物で有名なペンタゴン pentagon である。
六角形はヘキサゴン hexagon (「クイズ・ヘキサゴン」 で一寸有名になった),
七角形はヘプタゴン heptagon, 八角形はオクタゴン octagon,
九角形はエニアゴン enneagon, 十角形はデカゴン decagon,
十一角形はヘンデカゴン hendecagon, 十二角形は dadecagon (読み方不明, これは確か Roget's から採ってきたのだと思ったが,
やっぱり dodecagon (ドデカゴン) が正しいらしい。 (Thanks to Adam Ishy, on Tuesday, 9th March,
2004.)),
&c.
ポリゴンという言葉の語源は ギリシャ語で polygōnon これは polys という言葉と という言葉の合成語。 polys (πολύς) は「多くの」という意味。 gōniā は「角」という意味。
「ポリ」という言葉は他にも色々なところで聞いた覚えがあるはず。
例えば:
polyethylene (ポリエチレン), PET (polyethylene terephtalate, ポリエチレン・テレフタレート),
polyvinyl chloride (ポリ塩化ビニル, ポリヴィニル・クロライド),
polyphenol (ポリフェノール) &c.
数学では多項式をポリノミアル polynomial という。
多角形ではなくて多面体はポリヘドロン (polyhedron, 複数形は polyhedra) という。
n 面体は n-hedron (n-ヘドロン) である。
三面体がトリヘドロン trihedron (辞書に出ている !),
四面体がテトラヘドロン tetrahedoron (今はもう見かけないが, テトラパックはこの形),
五面体がペンタヘドロン pentahedron, 六面体がヘキサヘドロン hexahedron,
七面体がヘプタヘドロン heptahedron, 八面体がオクタヘドロン octahedoron,
九面体がエニアヘドロン enneahedron, 十面体がデカヘドロン decahedron,
十一面体がヘンデカヘドロン hendecahedoron, 十二面体がドデカヘドロン dodecahedron
(途中飛ばして) 二十面体がアイコサヘドロン icosahedron である。
話を 3D CG に戻そう。
我々が通常見ている物体というのは, 表面しか見えない。従って曲面であると
思っていい。そして曲面は大体多面体であると思ってよいというのが
「胞体近似定理 cellular approximation theorem」である。
[細かいことについては下記の 服部 p. 140; 小松, 中岡, 菅原 p. 138 を参照のこと]
だから計算の都合上, 曲面ではなくて物体は多面体であるとした方が計算速度などの点から都合がいい。
そして, computer の画面上に現れるのは, それらの多面体を画面という二次元の世界に「投影」
したものだから多面体ではなくて, 多角形即ち polygon の集まりであると思っていいわけである。
だから 3D CG ではものを描くのにこの polygon で描いていたりするわけなのである。