射影平面 projective plane

射影幾何学 projective geometry という分野で出て来た概念であるが, 図を描くのが難しい。クラインの壺と同様, 我々の空間では実現できないからである。 実際にメビウスの帯に円盤で蓋をするのは難しいので他の作り方を述べる。

円盤を用意して, 直径を描いたときのその両端同士をくっつけるときに出来るのが射影面 (射影平面) である。妙な形であるが叉帽 (Kreuzhaube) と呼ばれるものになる。別の形 (ボーイの帽子 Boy's hat と呼ばれるもの) もあるが, これは書くのが難しい。昔の本だがヒルベルトの「直観幾何学」という本に出ているはずである。どちらにせよ, 我々の住む空間ではそのままの形を実現することが出来ない。

クライン管と同様に境界のない向き付け不可能な曲面の一種である。因みにクライン管とこの射影面とは種数 (genus, 簡単に言うと穴の数) が違うので, 曲面として違うものである。

[叉帽]

こんな絵で分かってもらえるかなぁ... (^_^;

一寸心配なので, 一応上の叉帽が円盤とメビウスの帯に分解できることを示しておく。

[叉帽の分解]

先ず叉帽を点線のところで上下に切り離す。下半分は円盤と全く同じである。

縦の直線の部分で切り離して, 広げると, 輪が出来る。矢印はその向きにはり合わせてあったことを示す。図中の AB, CD で切り離す (この部分をあとでもう一度貼り合わせる)。

切ると二つの長方形となる。。CA と A'C' をこの向きに貼り合わせる (図中の矢印の向きが一致するように) 。張り合わせると長方形になるが BD' と B'D をこの順に貼り合せる (ということは即ち B と B' を貼り合せ, D' と D を張り合わせるということ) とメビウスの帯になるよね。

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