オペラ宅配便シリーズ (Series: Opera Home Delivery Service) I 第二夜 --- 名曲満載, 満腹イタリアン

Saturday, 28th July, 2001.
ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
17:00 -- ca. 19:40.

第一部 (17:05 -- 18:09)

Opening  Guiseppe Verdi: Libiamo ne' lieti calici from La Traviata (ヴェルディ: 椿姫から, 酒を注ごう (乾杯の歌)) --- 小貫岩夫 (?)(tenor), 家田紀子 (soprano)

  1. Giacomo Puccini (プッチーニ): Che il bel sogno from La Rondine (つばめから, ドレッタの美しい夢) --- 関口志津子 (soprano)
  2. Guiseppe Verdi: Èsogno ? O realità from Falstaff (ファルスタッフから, 夢か真か) --- 今尾滋 (baritone)
  3. Cilèa (チレア): Acerba voutta, dolce tortura from Adriana Lecouvreur (アドリアーナ・ルクヴルールから, 苦い喜び, 甘い苦しみ) --- 戸邊祐子 (mezzo soprano)
  4. Giacomo Puccini: Recondita armonia from Tosca (トスカから, 妙なる調和) --- 小貫岩夫
  5. Giacomo Puccini: Sì mi chiamano Mimi from La Bohème (ラ・ボエームから, 私の名はミミ) --- 関口志津子
  6. Gaetano Donizetti (ドニゼッティ): Quanto è bella, quanto è cara from L'Elisir d'Amore (愛の妙薬から, 何と可愛い人だ) --- 小貫岩夫
  7. Giacomo Puccini: Quando m'en vo' solletta from La Bohème (ラ・ボエームから, 私が街を歩けば (ムゼッタのワルツ)) --- 家田紀子
  8. Giacchino Antonio Rossini (? ロッシーニ ?): Duetto buffo di due gatti (猫の二重唱) --- 家田紀子, 今尾滋
  9. Giacomo Puccini: Legger con me volete questa lettera 〜 Che tua madre dovrà from Madama Bitterfly (蝶々夫人から, 手紙の二重唱 〜 可愛い坊や) --- 家田紀子, 今尾滋

20 分休憩

第二部 (18:28 -- ca. 19:40)

  1. Giacchino Antonio Rossini: Una voce poco fa from Il Barbiere di Siviglia (セヴィリアの理髪師から, 今の歌声は) --- 戸邊祐子
  2. Giacomo Puccini: Nessun dorma ! from Turandot (トゥーランドットから, 誰も寝てはならぬ) --- 小貫岩夫
  3. Pietro Mascagni (マスカーニ): Intermezzo di Cavalleria Rusticana (カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲) --- 鳥井俊之 (pfte)
  4. Guiseppe Verdi: Per me giunto e il suppremo from Don Carlo (ドン・カルロから, 終りの日は来た (ロドリーゴの死)) --- 今尾滋
  5. Giuseppe Verdi: Pace, Pace mio Dio ! from La Forza del Destino (運命の力から, 神よ, 平和を与えたまえ) --- 関口志津子
  6. Giuseppe Verdi: 炎は燃えて (?) (イル・トロヴァトーレから) --- 戸邊祐子
  7. Giuseppe Verdi: Udiste ? Come albeggi from Il Torovatore (イル・トロヴァトーレから, 分かったか ? 夜が明けそめたら) --- 関口志津子, 今尾滋
  8. Giuseppe Verdi: Ritorna vincitor from Aida (アイーダから, 勝ちて帰れ) --- 家田紀子
  9. Giuseppe Verdi: Un di, se ben rammentonni from Rigoletto (リゴレットから, 四重唱いつかあなたに会った時から) --- 家田紀子, 戸邊祐子, 小貫岩夫, 今尾滋

Ending Guiseppe Verdi: Libiamo ne' lieti calici from La Traviata (ヴェルディ: 椿姫から, 酒を注ごう (乾杯の歌)) --- 全員


今日のメニュー

始めに 「スパゲッティ・カルーソー」 (マッシュルームと生クリームがベース), メインは 「トゥルヌド・ロッシーニ」 (ステーキの上にフォアグラとトリュッフを乗せ洋酒でフランベ)。 ドルチェには, チョコレートが重なった 「オペラ」, そして濃いエスプレッソ。 こんなメニューはいかがでしょうか。

料理に数多くのメニューがあるように, オペラでも実に様々な人物が登場しますが, その役柄は声の種類によって決められてしまいます。 かくいう私は, バリトンであるが故に, 父親, 年老いた王, そして半ばで刺し殺されてしまう悪役など, 本人の見た目に合わない役どころばかり演じなければなりません。

今年没後 100 年を迎えるヴェルディは, バリトンを主役にした作品を多く残したイタリアオペラの巨匠です。 本日は, そのヴェルディの作品を中心に歌手たち得意の曲を曲をご披露いたします。 舞台装置, 衣裳といったコントルノ (視覚的状況) はありませんが, それぞれの演奏を通して配役の人物像が浮き彫りになることでしょう。

ベルカントオペラのアラカルト 「満腹イタリアン」 は理屈抜き, 待ったなし。 力強く輝きに満ちた声と, 朗々たる歌唱を心行くまでお楽しみください。

松本宰二 (二期会会員, バリトン)
(プログラムに載っていた挨拶)


今回は別の連れを伴って, ヨコスカ・ベイサイド・ポケットへ。 よこすか芸術劇場 (大ホール) の方へは去年, 團伊玖磨の 「合唱と管弦楽のための組曲 『横須賀』 演奏会」 に行ったが, 小ホールの方は今回が初めてである。 このホールは 1994 年設立で, 今年で 7 年目のホール。 田舎にはあるが新しくて, 駅も近くて良い。

前日から妙に涼しくなっている。 台風 6 号も逸れていい感じ。 只天気はそれほど良くない。

滅多に行かないから忘れていたが, 汐入の駅は結構遠い。 今回の連れは川崎の住人だが, 75 分ほどかかったという。 私は定期券を持っている関係で横浜からぐるりと回って来たが, 駅で電車を大分待ったため 90 分ほどかかった。 汐入の駅ではパスネットが使える自動改札機が一台しかなく, 出るのにうろうろしてしまって, 連れに笑われた (^_^;;

SS 席はワイン付きということだったが, 前の方の席が 80 人分 ? ほど 4 人一組のテーブルになっており, ワイングラスが置いてあった。 初めどの席か分からず, 案内嬢に訊いたが, 良くみると, 確かに座席番号が椅子に書いてあった。 舞台に向かって一番右側の二席。 完全に歌手の左手側になるので, 席としてはもう一つであった。 見渡すと値段の割に平均年齢が高い。 中には子供もいるが, この子も SS なのであとでグラスを見たら, どうやら grape juice のようであった。 そういうのがあるのなら最初に言ってくれって感じであった (笑)。 連れの言うには 「先生, 私と言えど一応女と来て良かったですね」 だと (笑)。 因みにワインは第一部で一杯, 第二部でもう一杯つがれた。

このコンサートはピアノ伴奏で行われ, pianist は 12 曲目にある鳥井俊之さん。 この人だけ出ずっぱりで, 当然字幕もないため, 要所要所で, 歌手が歌の解説などのおしゃべりをしていた。 当然衣裳替えなどの都合もあったと思われる。

Opening と ending の 「乾杯の歌」 と, 15 曲目は program にはなく, 最後の乾杯の歌では歌手達が手に手に sparkling wine を持って歌っていた。 15 曲目は戸邊さんが mezzo だからしょうがないのかもしれないけど, 私だけ出番が少ない ! と言って, 急遽入った (らしい)。

一曲目の 「ドレッタの美しい夢」 は一時期 CM でも使われていた歌だったが, 関口さんはこの歌はお得意でないのか, 一寸 「あれ ?」 と思ってしまった。 しかし 「ミミ」 の方は満足。 ところでここでミミ (ルチア) はしたたかでかまととだって言われてたけど, したたかはいいがかまととだったっけ ? ラ・ボエームは NHK の TV で見ただけなので, あんまり覚えてない (^_^;; 小貫さんはミミよりもムゼッタの方がお好みだそうだ (笑)。

Donizetti は 「愛の妙薬」 以外を知っている人は殆どいないと思われるし, それもメモリーノの有名なアリア Una furtiva lagrima (人知れぬ涙) 以外は聞いたこともないんじゃないだろうか ? このコンサートの終りの方で言っていたが, Donizetti のオペラは内容的に大したことなくって, 「愛の妙薬」 だって内容的には全然大したことがない (笑)。 この曲もそうだが, トスカも有名な E Lucevan le Stelle (星はきらめき) を歌わずに, 一寸ずらした感じで選曲されているのが面白い。 この Quanto è bella, quanto è cara っていうのは opera 冒頭のメモリーノのアリアらしい。

Duetto buffo di due gatti (猫の二重唱) はその末尾に Rossini の曲が使われているだけで, 本当は誰の手になるのか不明だそうだ。 途中で小道具として, 魚の干物 (?) が --- 袋入りのままで --- 使われていた。 人間も猫も, 女は餌で釣るものか ! (笑)

第一部でグラス一杯の赤ワインを飲み干したら, 結構効いてきた (^_^;;

言い忘れていたが, ここの開演のベルは何故かリゴレットの 「女心の歌」 が用いられていた。

第二部一曲目。 Rosina って mezzo だったんだと今更のように思う。 あれ ? そういえば佐藤しのぶはこれ歌っていたよね ? --- 確かに歌っているな。 Key を変えているのかな ?

Nessun dorma ! はさすがに有名な aria だけあって, いい。 聞きごたえがある。 今年は随分 Cavalleria Rusticana を良く聴くなぁと思いながら, やっぱりこの間奏曲はいいねぇ。 Wine で大分酔っているのかも知れぬ (笑)。 「運命の力」 も 「アイーダ」 も良かったが, 酔いが回っていて, あんまり内容が辿れない (笑)。

Ending の 「乾杯の歌」 の時はもうグラスを飲み干してしまっていたので, ここでも乾杯の歌をやるのであったら, 残しておけばよかったと後悔したが後の祭り (^_^;;

立地の所為なのかもしれないが, 内容の割に安価であると感じた。 一寸遠いのが難点であるが, その所為か開演も終演も早めに設定してあるので, 興味ある内容の時は, 横須賀まで足を伸ばしてみるのもいいかもしれない。 ... と思ったら, 徹底シリーズ 17 「徹底 情熱のスペイン」 のチラシを見たら, どれも 18:00 開演で, 宅配便シリーズとは設定時間が一時間遅い。 全ての企画に共通の時間設定ではないようだ。


2001 年のコンサート鑑賞記録の目次
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