定理
0 に収束する単調減少数列 {an} が an-1 - an > an
- an+1 (n≧1) を満たしているとする。 このとき xn + xn+1 = an を満たす数列 {xn} が単調減少であるための必要十分条件は
x1 = Σn=1∞ (-1)n-1an である。
Wn =((2n-1)!!/(2n)!!)2・nπ = (π/2)Πk=1n
((4k2 - 1)/(4k2)) を Wallis 積という。
The Geometry and Topology of Three-Manifolds by William P. Thurston
リンゲル-ヤングスの公式:
(1) 完全グラフ Kn を曲面上に実現するために必要な種数 g(n) は
(小数点以下切り上げ) である。
(2) 二分完全グラフ Km, n を曲面上で実現するために必要な種数 g(n) は
である。
57 は Grothendieck prime (グロタンディーク素数) と呼ばれているらしい。 [山下純一 グロタンディーク伝説 (3), 数学セミナー (5), 2005, p. 78.]
数値計算ソフト GNU Octave
M. Raussen, C. Skau,, Interview with Jean-Pierre Serre, アメリカ数学会会報 51-2, pp. 210—214, 2004. (sign in が必要)
体の絶対 Galois 群の l 進表現, という時の, 素数を l で表すやり方は Kummer に遡るのだそうである。
「もしも宇宙人がいるならば, とっくに地球に来ている筈だ」 というのをフェルミ・パラドックスという。
一万桁の最小の素数は 109999 + 33603 (2003 年発見)。
問題: (1) ∫0π x sin x dx /(1 + sin2 x) = (π/2)∫0π sin x dx/(1
+ sin2 x)
(2) ∫0π x sin x dx /(1 + sin2 x) を求めよ。
解: (1) y = (x - π/2)sin x/(1 + sin2
x) が, 点 (π/2, 0) に関し対称であるから明らかであるが, ちゃんと示せば:
左辺 = ∫0π/2 + ∫π/2π x sin x dx /(1 + sin2 x) (第二項で t = π - x)
= ∫0π/2 x sin x dx /(1 + sin2 x) - ∫0π/2 (t - π)sin t dt/(1
+ sin2 t)
= π∫0π/2 sin x dx/(1 + sin2 x)
= (π/2)・2∫0π/2 sin x dx/(1 + sin2 x)
= (π/2)(∫0π/2 sin x dx/(1 + sin2 x) + ∫0π/2 sin x dx/(1 + sin2 x))
(第二項で t = π - x)
= (π/2)(∫0π/2 sin x dx/(1 + sin2 x) + ∫π/2π sin t dt/(1
+ sin2 t)) =
右辺.
(2) ∫0π sin x dx/(1 + sin2 x) = ∫0π d(-cos x)/(2 - cos2
x) = ∫0π d(cos
x)/(cos2 x - 2)
= ∫0π d(cos x)/((cos x - √2)(cos x + √2))
= (1/(2√2))∫0π(1/(cos x - √2) - 1/(cos x + √2)) d(cos x)
= (1/(2√2))[log|(cos x - √2)/ (cos x + √2)|]0π
= (1/√2)log((√2 + 1)/(√2 - 1))
= (√2)log(√2 + 1).
従って ∫0π x sin x dx /(1 + sin2 x) = (π/√2) log(√2 + 1).
曲線 y = a3/(x2 + a2) というのを witch of Agnesi (アグネシの魔女) というそうだ。
Maria Gaetana
Agnesi (1719-1799) が 1748 に書いた Instituzioni Analitiche という本では 1703 の Luigi Guido
Grandi (1671-1742) で versiera (Lat. で 「全ての方向に回る」 というような意味らしい)
とされていたのをそのまま用いていたのに, 1801 に John Colson が英訳をしたときに誤訳をしたらしい。 イタリア語で versiera というのが
「悪魔の妻」 「性悪女」 と出ていたからだと言う。 [阿原一志 「シンデレラ入門」, 数学セミナー (2), 2005]
The On-Line Encyclopedia of Integer Sequences
Alfred Young (Young diagram 図形の Young, 16 April 1873 -- 15 December 1940).
Saturday, 24th December, 2005.
二つの数 X, Y があるとする。 X と Y は等しくないとしよう。 X のみの値を知って, このうち大きい方の数を選ぶ確率は通常は 1/2 である。
しかし次の戦略をとると確率は 1/2 より大きくなる。
先ず勝手な数字 Z を考える (Z は全ての実数について正となるような密度関数に従って選ぶと良い), X が Z よりも大きかったら X を選ぶ。
そうでなければ Y を選ぶ。
実際, m = Min(X, Y), M = Max(X, Y) としよう。 先ず m < M < Z となる確率が a, m < Z < M となる確率を
b, Z < m < M となる確率を c としよう。 この時, 大きい方の数を選ぶ確率 w は w = a/2 + c/2 + b となる。 しかし a +
b + c = 1 なのだから w = (a + b + c)/2 + b/2 = 1/2 + b/2 なので, b/2 の分だけ大きくなる。 [F.
Thomas Buss 不確実性とトリック, 数学セミナー (11), 2004. Unwartete Strategien, Mitteilungen der
Deutschen Mathematikervereinigung, Heft 3, 6--8, 1998. Der Ungewissheit ein
Schenippchen schlagen, Spektrum der Wissenshacft, Juni Heft, 106--107, 2000.
Thomas M. Cover, Problem 2.5: Pick the largest number, In “Open Problems in
Communication and Computation”, Springer-Verlag, New York, 1987.]
地動説を最初に唱えたのは Nicolaus Copernicus (1473--1543) ではなくて BC. 3c のギリシャのアリスタルコスであるという。
直方体の互いに直交する三辺の長さが整数, 且つ各面の対角線が整数, 更にその立体的な対角線 (trigonal) 迄も整数の直方体はあるか? [open
question]
最後の条件を除けば (44, 117, 240), (85, 132, 720), (140, 480, 693), (160, 231, 792),
(187, 1020, 1584), (195, 748, 6336), (240, 252, 275), (429, 880, 2340)
等が知られているそうである。
整数 n ≧ 2 に対し, n = p1r1 … pkrk を相異なる素数による素因数分解で, 各指数は正の整数であるとする。 これに対し φ(n) = (p1r1 - p1r1 - 1) … (pkrk - pkrk - 1), σ(n) = (p1r1 + 1 - 1)/(p1 - 1) … (pkrk + 1 - 1)/(pk - 1) と置く。 このとき m, n を 2 以上の整数とし φ(mn)σ(mn) = (m2 - 1)(n2 - 1) となるとすれば, m, n は相異なる素数である。 [江川嘉美, 整数問題にチャレンジ, 数学セミナー (11), 2004]
五角形の各辺を延長して出来る五つの三角形の外接円の交点は同一円周上にある [Miquel, 1838]
これを n 本の直線に一般化したものが Clifford によって示されている。
円に内接する五角形の対角線を引いて得られる五つの外接円の五つの交点は同一円周上にある
[高田, 1989] (この外接円は, 五角形と変を共有する一番小さい三角形のこと。 以下同様)
内接五角形があるとき, 外接円の中心 O と高田の円の中心 OT と Miquel の円の中心 OM は同一直線上にある。 [野村, 2003]
以上証明は増田一男, 野村里司, 初等幾何にチャレンジ, 数学セミナー (11), 2004 等を参照のこと。
n 面体 X の体積を V, 表面積を A, 辺の長さの和を L とする。 n 面体の中で, V2/A3
の最大を与えるものは何か, 又 V/L3
の最大を与えるものは何か? [open question]
八面体でこれを考えると, 最初の V2/A3 の最大を与えるものは, 直感に反して正八面体ではないのだという。 [H. T. クロフト他, 秋山仁訳
「幾何学における未解決問題」]
tan 10°= tan 20°tan 30°tan 40°.
エルデーシュ-シュトラウスの予想:
3 以上の任意の自然数 n に対して 1/n = 1/a + 1/b + 1/c を満たす自然数の組 (a, b, c) が存在する。 (open)
3D-CG soft POV-Ray
[強度函数] 区間 [s, t) 内に n 個の事象が起きる確率が積分可能な函数 λ(x) によって
exp(-∫st λ(x) dx)(∫st λ(x) dx)n/n!
と与えられるとき, λ(x) を強度函数という。 [Gutenberg-Richter の公式] magnitude M の地震の数を n(M) とすると
log10 (n(M)) = a - bM, ここで, b は大体 0.8 から 1.2 位。 (Gutenberg, B, and C. F.
Richter, 1944, Fresquency of Earthquakes in California, Bull. Seismol. Soc. Am.
34, 185--188)
これを強度函数で書くとλ(M) = 10a - bM.
密度函数では p(M|b) = log10 b 10-b(M-M0) (M ≧ M9), 0 (others)
日本テセレーション協会
神成知美作 「ワニ」
「イデアル論は Kummer が Fermat の最終定理を証明しようとして理想数を考えたことが淵源だという説が普及している。 高木も代数的整数論でそう書いている。 ところが Kummer が理想数を考えたのは高次冪剰余の相互法則を究明するためだったらしい。」 というのが net 上にあった。
a が 0 でも 1 でもない代数的数で, b が有理数でない代数的数であるとき, ab は超越数である (1934 年, ゲルフォント=シュナイダー Gelfond-Schneider の定理)
以下の式に自然数を代入したとき, もし正の値になれば, 必ず素数になる。しかも, 全ての素数がこの式の値として現れる。
この式が素数を表す根拠も先にあった素数を表す式群の根拠も, ウィルソンの定理が元になっている。
f(a, b, c, d, e, g, h, i, j, k, m, n, p, q, r, s, t, u, z) =
(k + 1)[1 - {X2 - (a2 - 1)Y2 - 1}2 -
{b2 - (a2 - 1)C2 - 1}2 - {D2 - (F2 - 1)E2 - 1}2
- {G2 - (a2 - 1)H2 - 1}2 - {g2
- ((2k + 2)2 - 1)((2k + 1)n)2 - 1}2
- {m2 - ((I + 2)2 - 1)((I + 1)a)2 - 1}2 - {zG - Vz(a - z)H - (g - 1)(2az -
z2 - 1)}2].
ただし, 上において, C, D, E, F, G, H, I, V, X, Y は,
V = (ku + u - 1)(i + j) + i,
W = Vh + i + j,
H = k + (t - 1)(a - 1),
G = z + (a - n - 1)H + (s - 1)(2a(n + 1) - (n + 1)2 - 1),
Y = n + H + p,
X = W + (a - z - 1)Y + (r - 1)(2a(z + 1) - (z + 1)2 - 1),
C = 2cY2,
D = X - bd,
E = n + (e - 1)Y,
F = a + b2(b2 - a),
I = n + V + W + z.
@ もともとはラテン語の 「アンフォラ」(取っ手が付いた壷) という意味の記号で, 一つの 「アンフォラ」 に入る量が 「一アンフォラ」 とされ, その後に単価を表すマークになった。
単位円に内接する正方形の周の長さが 4√2. 単位円に外接する正六角形の周の長さは 4√3.
それで 4√2 < 2π < 4√3.
そういうわけで 2π ≒ (4√2 + 4√3)/2 = 2(√2 + √3). 即ち π ≒ √2 + √3 ≒
3.1462643699419723423291350657156.
∫0,∞ ((x8 - 4x6 + 9x4 -
5x2 +1)/(x12 - 10x10 + 37x8 - 42x6 + 26x4 -
8x2
+ 1))dx = π/2.
Amer. Math. Monthly, Vol.112, No.4 (Apr 2005)
n 個の自然数を適当に選んだときに互いに素となる確率は 1/ζ(n)
ヴィノグラードフ 「整数論入門」(共立全書)
2 の倍数である確率は 1/2, 3 の倍数である確率は 1/3, ... だから, n 個の自然数において 2 が共通因数でない確率は 1 - 1/2n,
3 が共通因数でない確率は 1 - 1/3n, ...
よって 2, 3, 5, ... を共通因数にもたない, すなわち互いに素である確率 P は,
P = (1 - 1/2n)(1 - 1/3n)(1 - 1/5n)… = Π(1 - p-n) = 1/ζ(n) (∵ζ(n) = Π(1/(1 -
p-n))
Sunday, 9th October, 2005.
単位円の円周を 4n 等分する点を採り, 円周に沿って交互に赤点, 黒点とする。 赤点と黒点とを結ぶ 4n2
本の線分が作る全ての長方形の面積の積を求めよ。
[解] 円周上の 4n の点を結んで出来る 2n 本の直径は, 赤と赤を結ぶ n 本の赤直径と, 同じく n 本の黒直径に分かれ, 赤黒一本ずつ取った n2
通りの組合せが, その二本を対角線とする長方形に対応する。
円周に並んだ順に, 黒点を B0, B1, ... , B2n-1 とし, 赤点を R1,
R2, ... , R2n として黒直径 B0Bn と赤直径 RkRk+n
が作る長方形の面積を S0k = B0Rk×B0Rk+n,
1 ≦ k ≦ n で表すと, これらの積
S0 = Πk=0n S0k = Πk=0n
B0Rk×B0Rk+n = Πk=02n
B0Rk
が, 一つの黒点から全ての赤点迄の距離の積になる。 又, n 本の黒直径はそれぞれ異なる長方形を作るから, 求める全体の積 P は P = S0n
となる。
S0 を求めよう。
複素平面で z4n - 1 = (z2n + 1)(z2n - 1) = 0 の解を図示し,
z2n + 1 の解を赤点で, z2n - 1 の解を黒点で表す。 R1, R2,
..., R2n の値を r1, r2, ... , r2n と表せば
z2n + 1 = (z - r1)(z - r2) … (z - r2n)
となり, z = 1 と置けば 2 = (1 - r1)(1 - r2) … (1 - r2n)
が得られる。 この右辺の絶対値は, z = 1 の黒点から全ての赤点迄の距離の積になるから S0 = 2. 従って P = 2n.
[今井貞三, エレガントな解答を求む, 数学セミナー (8), 2004]
△ABC に於て, 次の不等式が成立する:
(b + c)cos A/an + (c + a)cos B/bn + (a + b)cos C/cn
≧ 3n/(a + b + c)n-1,
但し n ≧ 0 は整数。 等号成立は n = 0 又は a = b = c.
[熊野充博, Note, 数学セミナー (8), 2004]
証明: a ≧ b ≧ c と仮定しても一般性を失わない。 この時 cos A ≦ cos B ≦ cos C, b + c ≦ c + a ≦ a + b
であるから
(b + c)cos A ≦ (c + a)cos B ≦ (a + b)cos C.
チェビシェフの不等式より p ≦ q ≦ r, x ≦ y ≦ z ⇒ (p + q + r)(x + y + z) ≦ 3(px + qy + rz) だから
(1/an + 1/bn + 1/cn)((b + c)cos A + (c + a)cos
B + (a + b)cos C) ≦ 3((b + c)cos A/an + (c + a)cos B/bn +
(a + b)cos C/cn).
又, 余弦定理から (b + c)cos A + (c + a)cos B + (a + b)cos C = a + b + c. 従って
(1/an + 1/bn + 1/cn)(a + b + c) ≦ 3((b + c)cos
A/an + (c + a)cos B/bn + (a + b)cos C/cn).
更に相加平均と相乗平均の関係から 1/αν + 1/βν + 1/ψν ≧ 3/(αβψ)ν/3
≧ 3(3/(α + β + ψ))ν = 3ν+1/(α + β + ψ)ν.
The latter E for the identity matrix being an abbreviation for the German term “Einheitsmatrix”; Courant and Hilbert 1989, p. 7. (MathWorld)
数の不思議
数が好き!
12 さんすう 34 数学 5 Go! の 「お勉強」
風変わりな数学の部屋
△ABC の内部の点 P から辺 BC, CA, AB に降ろした垂線の足を各々 D, E, F とする。 この時
BC/PC + CA/PE + AB/PF を最小にする点 P を求めよ。
解) 簡単の為に a = BC, b = CA, c = AB; x = PD, y = PE, z = PF と置こう。 この時, S = △ABC
と置けば, S = (1/2)(ax + by + cz) 即ち ax + by + cz = 2S (定数). そこで Cauchy-Schwarz
の不等式より
2S(a/x + b/y + c/z) = (ax + by + cz)(a/x + b/y + c/z) = (√(ax)2 +
√(by)2 + √(cz)2)(√(a/x)2 + √(b/y)2 +
√(c/z)2)
≧ (√(ax)√(a/x) + √(by)√(b/y) + √(cz)√(c/z))2 = (a + b + c)2.
即ち BC/PC + CA/PE + AB/PF ≧ (a + b + c)2/(2S). 等号成立は √x : √y : √z =
1/√x : 1/√y : 1/√z ⇔ x = y = z ⇔ P は△ABC の内心。
方程式 -cos x + sin 2x = -sin x + cos 2x を 0 ≦ x < 2π で解け。
解) -cos x + 2sin x cos x = -sin x + 1 - 2sin2 x. (二倍角の公式)
cos x (2sin x - 1) = -(2sin2 x + sin x - 1)
cos x (2sin x - 1) = -(2sin x - 1)(sin x + 1)
cos x (2sin x - 1) + (2sin x - 1)(sin x + 1) = 0
(2sin x - 1)(sin x + cos x + 1) = 0
(2sin x - 1)((√2)sin(x + π/4) + 1) = 0. (合成公式)
sin x = 1/2, sin(x + π/4) = -1/√2 (0 ≦ x < 2π より π/4 ≦ x < 9π/4).
従って x = π/6, 5π/6; x + π/4 = 5π/4, 7π/4.
つまり x = π/6, 5π/6, π, 3π/2.
(最初あまりに分からないので, MS Excel で graph を描いて調べた)
「理由不十分の原理 (不充足理由律)」 (ベルヌイ) 「無差別の原理」 (ケインズ) というものですね。
ベイズ自身この原理が受け入れられないのではないかと, 懸念して論文を発表しませんでした。
ベイズの死後 (1763), プライスが, 序文と付録をつけて出版したそうです。
この論文がベイズ主義の起源とされています (ラプラス 1814 が普及役になります)。
パラドックス総合スレ2
6(a2 + b2 + c2 + d2)2= (a+b)4 + (a-b)4 + (a+c)4 + (a-c)4 + (a+d)4 + (a-d)4 + (b+c)4 + (b-c)4 + (b+d)4 + (b-d)4 + (c+d)4 + (c-d)4.
全ての自然数 n に対し k・2n + 1 が合成数になるような奇数 k の事を Sierpinski 数 (シェルピンスキー数) という。 1960 年に Sierpinski が, Sierpinski 数は無限に存在することを証明した。 予想では k = 78557 が最小の Sierpinski 数。 この数が Sierpinski 数であることを証明したのは John Selfridge で, 1962 年の事であった。 参考 site.
Bers embedding of the Teichmueller space (タイヒミュラー空間のベアス埋め込み) の図
文系学部出身者で各種資格試験に合格した者を調べると, 入試で数学を選択した者の方が相当多い。
(芳沢光雄
入試を大切にすれば数学は大切にされる
数学セミナー (7), 2004 から孫引き)
入試の成績は二つの山が出来て, その間の谷の部分で合否が別れるのが理想。
芳沢光雄
入試を大切にすれば数学は大切にされる
数学セミナー (7), 2004
Sunday, 8th May, 2005.
URL: 数学ノート, 巨大数研究室, 和算; Gabriel’s Horn, or Torricelli's Trumpet.
x(y - z)5 + y(z - x)5 + z(x - y)5 の因数分解
先ず f(x, y, z) = x(y - z)5 + y(z - x)5 + z(x - y)5
と置く。
x, y, z の各々二つについて交代式だから
f(x, y, z) = (x - y)(y - z)(z - x)g(x, y, z)
となって, g(x, y, z) は対称式で次数は 3 である。
そこで g(x, y, z) = a(x + y + z)3 + b(x + y + z)(xy + yz + zx) + cxyz と置く。
f(0, y, z) = (z - y)yz(z3 + z2y + zy2 + y3)
= (z - y)yz((z + y)3 - 2zy(z + y))
であるから, a = 1, b = -2 であることが分かる。
つまり f(x, y, z) = (x - y)(y - z)(z - x)((x + y + z)3 - 2(x + y + z)(xy + yz + zx) + cxyz).
最初の式で f(1, 2, 3) = -1 + 64 - 3 = 60.
直ぐ上の式で, f(1, 2, 3) = 2×6×(14 + c) だから c = -9
つまり
x(y - z)5 + y(z - x)5 + z(x - y)5
= (x - y)(y - z)(z - x)((x + y + z)3 - 2(x + y + z)(xy + yz + zx) -
9xyz)
= (x - y)(y - z)(z - x)(x3 + y3 + z3 + x2y
+ x2z + xy2 + xz2 + y2z + yz2
- 9xyz).
私の掲示板で つかさ という人が
2004/11/28 11:53 にしてきた質問。
整係数の代数方程式 f(x) = 0 が x = 1 - 21/3 + 22/3 を解として持てば, f(x) は
x3 - 3x2 + 9x - 9で割り切れることを証明せよ。
証明)
Step 1. 1, 21/3, 22/3 が有理係数上一次独立である事。
それらのうちの二つずつが一次独立であることは, √2 が無理数であることの証明と同様に出来るので, a, b, c を 0 でない有理数として a + b・21/3
+ c・22/3 = 0 と置く。
分母の最小公倍数倍しておけば a, b, c は整数であると仮定してよい。
このとき, a, b, c は互いに素として一般性を失わない。
b・21/3 + c・22/3 = -a
2(b3 + 3b2c・21/3 + 3bc2・22/3
+ 2c3 = -a3.
2(b3 + 2c3 + 3bc(b・21/3 + c・22/3)) =
-a3.
2(b3 + 2c3 - 3abc) = -a3. … (a)
a3 + 2b3 + 4c3 - 6abc = 0 となるが, それはともかくとして, (a) より, a は 2 で割り切れる。
よって a = 2a' と書ける。
従って 2a' + b・21/3 + c・22/3 = 0.
ゆえに b + c・21/3 + a’・22/3 = 0.
だから b は 2 で割り切れて, 同様にして c も 2 で割り切れる事が示される。
これは a, b, c が互いに素である事に矛盾する。
Step 2.
(a) 整係数の一次式 ax + b には, x = 1 - 21/3 + 22/3
を零点として持つものがないことは step 1 から直ちに分る。
(b) 整係数の二次式 ax2 + bx + c が, x = 1 - 21/3 + 22/3
を零点として持つとすると, 代入して整理する事により (1 - 21/3 + 22/3)2 =
-3(1 - 22/3) なので
(-3a - b + c) + b・21/3 + (3a + b)・22/3 = 0.
Step 1 より -3a - b + c = b = 3a + b = 0. 故に a = b = c = 0 となるので, そのようなものは存在しない。
(c) 整係数の三次式 ax3 + bx2 + cx + d が, x = 1 - 21/3
+ 22/3 を零点として持つとする。 (1 - 21/3 + 22/3)3
= -9(1 - 21/3) だから
(3a - 3b + c + d) + (-3b - c)・21/3 + (-6a - 3b + c)・22/3 =
0.
再び step 1 より 3a - 3b + c + d = -3b - c = -6a - 3b + c = 0. 解くと
b = -3a, c = 9a, d = -9a. 従って ax3 - 3ax2 + 9ax - 9a = 0.
Step 3.
α = 1 - 21/3 + 22/3, g(x) = x3 - 3x2
+ 9x - 9 と置く。
Step 2 より整係数の代数方程式 f(x) = 0 が α を解として持てば, deg f ≧ 3 である。
今, f(x) を g(x) で割った商を Q(x), 余りを R(x) と置くと, 除法定理より deg R(x) ≦ 2 で
f(x) = g(x)Q(x) + R(x).
ここに x = α を代入すると, 仮定より R(α) = 0. 即ち R(x) は x = α を零点として持つが, step 2 より R(x) = 0
以外にはありえない。 即ち f(x) は g(x) で割り切れる。
因みに g(x) は次のようにして出す事も出来る。
x = 1 - 21/3 + 22/3 と置くと
x - 1 = -21/3 + 22/3
x3 - 3x2 + 3x - 1 = (21/3(-1 + 21/3))3
= 2(2 - 3・21/3 + 3・22/3 - 1)
= 2(1 - 3(21/3 - 22/3))
= 2 - 6(x - 1) = 8 - 6x.
移項して g(x) = 0 を得る。
p を素数として, b ≡ na (mod p) となる整数 n (< p) を求めるには Euclid の互除法によって, 絶対値が高々 p2
以下の整数の四則演算 O(log p) 回で求まる。
底 a の位数 N の最大素因数を l とする。 群 G がどのような群であっても, 中国式剰余定理 (孫子定理) によって G の群演算 O(l log N)
回で Inda b は求まる (Pohlig, S. C. and Hellman, M. E. An improved algorithm for
computing logarithms over GF(p) and its cryptographic significance, IEEE-IT, 24,
106--110 (1978))。 これに Shanks, D. Class number, a theory of factorization, and
genera, PSPM, 20, 415--440, AMS, 1971 の方法, 或いは Pollard, J. Monte Carlo methods
for index computation (mod p), Math. Comp., 32, 918 -- 924 (1978) の方法を併用すれば O((√l)log
N) 回にまで減らす事ができる。
佐藤孝和
楕円曲線と暗号
数学セミナー (7), 2004.
Tools Asir.
Surf
http://geom.math.metro-u.ac.jp/wiki
平面の tiling のうち, tile の一つ一つが絵になっているものを tessellation という。
数学の研究において, 最も大変なのはテーマ又は目標を決める事である。 良いテーマを持っている者は良い論文を幾らでも書ける。 結局, 有能な研究者とは, 良いテーマを嗅ぎ分け自分のものにしていける人だと言っても過言ではない。
森脇淳
数学者と四季
aperitif
数学セミナー (7), 2004.
ストークスの定理は, アイルランドの数学物理学者 ジョージ・ストークス (1819--1903)
にちなんで名づけられた。ストークスはケンブリッジ大学の教授で, (実際, 彼はニュートンと同じ, Lucasian Professor of
Mathematics という地位にあった。) 特に流体と光の研究で知られていた。
いわゆる 『ストークスの定理』 は実際, スコットランドの物理学者ウィリアム・トムソンによって発見された。 (1824--1907 ケルビン卿の名で知られている。)
ストークス自身は, この定理を 1850 年にトムソンからの手紙の中で知った。そして, 1854 年にケンブリッジ大学の試験において, この定理を証明せよ,
という問題を学生に出題している。この問題を解けた学生がいたかどうかは, 今になっては知る由もない。
Varignon’s parallelogram,
Wittenbauer’s
parallelogram
Jacobian
に関する予想が解けたらしい! 解いたのは Carolyn Dean. Univ. of Michigan だという。
(しかし残念ながら証明に誤りが見つかっている) [我疑う故に存在する我 氏のご指摘によって訂正。 On
Sunday, 20th December, 2009]
常用対数は Latin の logarithmus dualis から ld と書かれるのだそうである。 情報では 2 を底としたものを lg と書く。
二変数多項式 x2 + (xy - 1)2 を R2 から R への写像と考えると, 値域は (0, ∞).
tan(π/2 - θ) = 1/tan θ を言い換えると tan-1 x + tan-1 1/x = π/2 になる。
「△ABCにおいて, sinA = 2sinBcosC が成り立つとき, △ABCは AB = AC の二等辺三角形であることを示せ。」 という問題の図形的証明。
Rischアルゴリズム: 原始関数が初等関数で書ける不定積分のクラスを必ず実行できるようにするための具体的手続きを与えている。
Risch, R. "On the Integration of Elementary Functions Which are Built Up using Algebraic Operations." Report SP-2801/002/00. Santa Monica, CA: Sys. Dev. Corp., 1968.
Risch, R. "The Problem of Integral in Finite Terms." Trans. Amer. Math. Soc. 139, 167-189, 1969.
Risch, R. "The Solution of the Problem of Integration in Finite Terms." Bull. Amer. Math. Soc., 1-76, 605-608, 1970.
Risch, R. "Algebraic Properties of Elementary Functions of Analysis." Amer. J. Math. 101, 743-759, 1979.
(Thanks to NM, 2004/09/06 23:59)
Mathematical Sciences Research Institute, Online Lecture Sites.
The Galios Group of Cyclotomic Fields of Fermat Primes by Brown, David & Madden, Daniel, August 10, 2001
その階段に足を触れたその瞬間, それまでかかる考えの起こる準備となるようなことを何も考えていなかったのに, 突然私が Fuchs 函数を定義するのに用いた変換は非 Euclid 幾何学の変換と全く同じである, という考えが浮かんで来た。
ポアンカレ
科学と方法
第一篇第三章
The Math in the Movies Page. これは便利だ。
線型代数関連: http://joshua.smcvt.edu/
http://www-math.mit.edu/~gs/
http://www.math.unl.edu/~tshores/index.html
http://www.math.miami.edu/~ec/index.html
http://www.cs.ut.ee/~toomas_l/linalg/
Saturday, 15th January, 2005.